・過去最大の税収と予算繰越額 | 矢口新

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☆過去最大の税収と予算繰越額

2021年度税収が67.0兆円と、過去最高だった20年度税収60.8兆円から6.2兆円増えた。それまでの最高は2018年度の60.4兆円、その前は1990年度の60.1兆円だ。

主要税目のうち消費税収が前年度比0.9兆円増の21.9兆円、所得税収が2.2兆円増の21.4兆円、法人税収は2.4兆円増の13.6兆円だった。

税収がこんなに増えたのは、コロナ禍以降歳出を100兆円近く上乗せしたので、企業業績や所得環境が改善、6兆円強の税収増に繋がったからだ。
参照図01:一般会計における歳出・歳入の状況(出所:財務省)



また、予算を計上したものの結果的に使う必要のなくなった「不用額」も6兆3028億円と過去最高となった。これとは別に22兆4272億円を年度内に執行しきれず22年度に繰り越すので、あわせて28兆円あまりの「使い残し」がでた。

税収が60兆円台なのに、28兆円もの余剰がでたのは、膨大な予算を計上していたためだ。21年度の予算総額は過去2番目に大きい142.5兆円だった。過去最大は20年度の175.7兆円だ。ここでも使い残しがでて、歳出は147.6兆円に収まった。この辺りの解説はエコノミストたちに譲る。

ここで私が指摘しておきたいのは、巨額の資金供給による景気回復で、所得税収が1割強、法人税収が6割弱も増えたのに、消費税収は4%ほどしか増えないことだ。

これが意味するところは、2021年春に出版した拙著に詳しい。その前書きの出だしだけを引用する。


☆日本が幸せになれるシステム 年金、医療制度の守り方
まえがき
税収増が見込めない税制

今月も年金給付だけでは生活できなかった。体調もすぐれないが、医療費負担を考えると二の足を踏んでしまう。退職したときには十分に思えた預貯金も底をついてきた。アルバイトも簡単には見つからない。2020年のコロナ禍が過ぎればもっと良くなると思っていたのが、当てが外れてしまった。これが遅くても10年後には始まる、日本人の大多数の老後見通しだ。

それで年金給付の増額や、医療費負担の軽減を政府に頼ろうにも、日本政府にはカネがないのだ。それでもどうにかこうにか回っているのは、日本の民間にはまだあるところにはカネがあるからだ。しかし、それもこのままでは時間の問題で枯渇する。なぜなら、日本政府は返済の当てのない借金を増やしつづけているので、いずれは民間の資金で穴埋めするしかないからだ。

どうしてこうなったのか? それは日本の税収が30年以上も増えておらず、経済規模の事実上のピークも20数年前だからだ。統計がある1975年度以降から2020年度までの歳出と税収の差額は総額1413.6兆円の赤字だ。2011年度から2020年度までの平均税収は年53.7兆円なのに対し、平均歳出は年107兆円だ。つまり、この10年間、総税収に匹敵する平均53.2兆円もの財政赤字を毎年出しつづけているのだ。

このままでは、年金や医療を含めた日本の社会保障制度は崩壊する。日本人は死ぬまで働きつづけることを義務づけられる。

「このままでは」と言ったが、日本がこのままの状態を続ける必要などない。日本の一般国民も政府も、お荷物ではなく当てにできるパートナーになってほしいと日本に望んでいる同盟国も喜ぶ、解決策があるのだ。まともに経済成長し、企業が競争力を回復し、国民の所得が上がり、税収が増え、社会保障制度や教育に資金を使える可能性が高い方法があるのだ。

本書は、ここ30年余りの日本が抱えている問題を、政府や国際機関などが提供する図表で分析し、その問題点を取り除くことで、ほとんどすべての当事者がより良くなる方法を提案するものだ。このことは、今の日本のシステムではほとんど誰も幸せになれないことを示唆している。このままの状態に耐え忍び崩壊を待つか、現状を変えて幸せになる道を選ぶか、相場と同じで判断するのはあなた自身なのだ。
(以下、省略)

・著書案内:日本が幸せになれるシステム・65のグラフデータで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、ペーパーバック版)

(Kindle Edition)

・著書案内:日本が幸せになれるシステム問題集・日本経済の病巣を明らかにするための57問(著者:矢口 新、Kindle Edition)


拙著で述べていることを箇条書きで要約するならば、

1、1989年度の税制改革で、1990年度をピークに税収が減った。

2、1991年度からは景気減速、消費税率が5%になった1997年度からは景気後退が始まった。

3、経済規模が2016年度になって初めて1997年度を上回ったのは、アベノミクスの「成果」だと言える。

4、2018年度に税収が初めて1990年度上回ったのは、異次元緩和の「恩恵」だと言える。

5、しかし、アベノミクス、異次元緩和の「コスト」もまた異次元で、財政赤字は拡大の一途、国債残高は1000兆円を超えた。また、金融機関は構造不況の業態となった。

6、また、異次元緩和により、日銀は金融政策の自由度を失った。つまり、打つ手がもうない。

7、そうした膨大なコストを払って得た経済規模は、現在、円建てでも1997年度を下回っている。(最近の円安でドル建てでは更に小さい。)

8、1990年度をピークに税収が減り、1997年度をピークに経済規模が縮小するなかで、日本の競争力は至るところで低下した。

9、赤字企業は一時(3年間)全企業の7割を超え、現状でも6割を超える。

10、その付けは、非常勤労働者の増加、賃金の低下、社会保険料の上昇を通じて、「手取り」がガタ落ち、可処分所得の減少に繋がった。

11、年金、医療制度を守るには、これ以上の消費税率や社会保険料の引き上げでは景気後退が避けられず、逆効果となる。

12、日本があらゆる面で立ち直るには景気回復が不可欠だが、消費税が足枷となっている。

13、現在の日本の最大財源は消費税だが、景気が回復しても、消費税の伸びは限定的だ。つまり、「税収増が見込めない税制」となっている。

14、日本経済が回復するには、足枷である消費税を撤廃し、税収を増やすには所得税率と法人税率の引き上げが不可欠だ。

15、現状の税制で恩恵を受けているのは、長者番付に載るような富裕層だけで、その富は一般国民や、国民が支えている政府が負担している。

16、日本の社会保障制度は崩壊寸前である。

17、貧富格差の拡大は景気後退につながる。

18、財政赤字など気にすることはないとするMMTは、インフレを誘発して終えることを示唆している。

19、競争力世界一、かつ高福祉国家のデンマークには、社会保険料がなく、消費税への依存も少なく、日本の1988年度までの税収構造に近いものを持っている。

20、1988年度までの税制で、日本は世界一の競争力を誇り、経済規模も米国に警戒されるほどの大きさだった。

21、日本経済の問題は、1988年度の税制に戻すことで、概ね解決できると言える。


拙著は、これらのことを政府や国際機関による豊富なグラフで解説している。日本経済が置かれた状態に興味を持って頂ければ幸いだ。

関連:世界競争力、日本は過去最低の34位(デンマークの税収グラフを含む)

参照図02:教育投資が充実している国は成長率が高い(出所:日経新聞)

 

 

 

・Book Guide:What has made Japan’s economy stagnant for more than 30 years?/ How to protect the pension and medical care systems (Arata Yaguchi: Paperback)

・Book Guide:What has made Japan’s economy stagnant for more than 30 years?/ How to protect the pension and medical care systems (Arata Yaguchi: Kindle Edition)

 

・Quiz Book:What has made Japan’s economy stagnant for more than 30 years?: 57 questions to reveal the problems of the Japanese economy (Arata Yaguchi: Kindle Edition)

 

・著書案内:日本が幸せになれるシステム: グラフで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、ペーパーバック版)

 

・著書案内:日本が幸せになれるシステム・65のグラフデータで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、Kindle Edition)
 

・著書案内:日本が幸せになれるシステム問題集・日本経済の病巣を明らかにするための57問(著者:矢口 新、Kindle Edition)




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