・では、貯蓄は可能か? | 矢口新

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☆では、貯蓄は可能か?

先日、「貯蓄は必要か?」と見てきたもののまとめです。

貯蓄は、自分が働けなくなった時の備え。
日本の社会保障制度はOECD諸国と比較してさえかなり高負担である。
それでもセーフティーネットとしては不十分。
従って、貯蓄、あるいは、何らかの収入源は「絶対に」必要だ。


では、貯蓄は可能か?

厚生労働省によれば、2020年度の一人平均現金給与総額(従業員5人以上の事業所)は、前年度比1.5%減の月平均31万8081円でした。内訳は一般労働者が1.9%減の41万6570円、パートタイム労働者が0.9%減の9万9083円です。一人平均総実労働時間は、一般労働者が2.9%減の月平均159.8時間、パートタイム労働者は5.1%減の78.6時間でした。これはパートタイム労働者の平均時給が1261円だということも意味しています。

現金給与総額は名目賃金と呼ばれています。この名目賃金からインフレ率を差し引くと実質賃金となります。つまり、インフレ率がプラスの数値だと、実質賃金は名目賃金より少なく、マイナスの数値だと、実質賃金は名目賃金より多くなります。

日本の名目賃金は30年以上基本的に減っているのですが、インフレ率も低いままですので、実質賃金の減少も緩やかなものとなっています。

一方で、日銀の政策目標はインフレ率2%ですので、目標を達成すると、名目賃金が増えない限り、実質賃金は約2%減少するはずです。インフレになっても必ずしも名目賃金が上昇するわけではないので、実質賃金が急激に減少する政策だと言ってもいいでしょう。

名目賃金とは、給与明細に支給額として記されるものです。ここから、社会保険料や税金を引いたものが手取り額となります。実質賃金と現金給与手取り額とは、全くの別物です。

2020年度の一人平均現金給与総額を例に、一般労働者とパートタイム労働者の手取り額を計算すると、表01のように、それぞれ387万2319円、100万3089円となります。

表01:現金給与総額と手取り額
 
(注:社会保険料の対象年齢は40歳~64歳:所得税等は扶養親族0人で計算)


一方、常用労働者数は、前年度比0.7%増の5138万2000人となり、17年連続の増加。正社員などの一般労働者は1.4%増の3544万7000人で7年連続の増加でしたが、パートタイム労働者は0.9%減の1593万5000人で15年ぶりの減少でした。

つまり、労働者の3割以上を占めるパートタイム労働者の手取り額は100万円ほどだということになります。残る7割近くの正社員は387万円ほどですから、多くの人は事情さえ許せば正社員になりたいことと思います。

ところが、厚生労働省が発表した2021年9月の新規求人倍率は2.10倍と、前月に比べ0.13ポイント上昇したにもかかわらず、正社員の有効求人倍率は0.01ポイント低下の0.91倍でした。有効求人倍率とは仕事を探す人1人に対し、何件の求人があるか示すものですから、正社員になるハードルは高いのです。

一時、「老後生活のために2,000万円程度の金融資産が必要」だということが話題となりました。

その理由は、高齢者夫婦2人の「平均的な生活」として、収入が20万9,198円、支出が26万3,718円で、その差額にあたる約5万円を取り崩しながら生活することになり、それを30年間継続するならば約2,000万円の金融資産が必要になるというものです。 

その計算の根拠となるものが下図02です。

図02:「老後生活のために2,000万円程度の金融資産が必要」(出所:厚生労働省)
 

図02は、無職の高齢者夫婦2人が年金などだけで生活するとすれば、毎月の赤字が約5万円生じるというものです。

とはいえ、この試算の上部、実収入の部分は家庭によって大差があるものと思われます。左端の「勤め先収入」や「事業収入」がこれよりはるかに多い家庭もあれば、この図では19万円を超えている「社会保険給付」が、未納や、未納でなくても「国民保険」だけだと、全納の夫婦2人合わせても、13万円と、これよりはるかに少なくなります。「貯蓄は必要か?」から該当箇所を引用します。

「制度のベースとなる国民年金の年金保険料を40年間全額納付した場合の、65歳からもらえる老齢基礎年金は、2021年度時点で年額78万0900円、月額にすると約6万5000円です。しかし、未納期間があるためにこの全額を受け取れない高齢者が既に半数いて、現在64歳以下のその予備軍がコロナ以降に急増中です。」

また、その他収入が多い人たちもいることでしょう。

一方で、「生きるための実支出」は実収入ほどの差は出ません。となれば、「平均的な生活」を送るには、月額26万3,718円、年間で316万4616円の生活費がかかるというのが標準なのです。また、最低限の暮らしには「時給1500円」が必要だという試算もあります。

となれば、手取り額100万円ほどのパートタイム労働者は言うに及ばず、手取り額387万円ほどの正社員でもあまり余裕がないことになります。

また、ここでの支出の内訳を見ると、住居費が1万3636円と、持ち家が前提となっています。つまり、住宅ローンの支払いが継続中の人々や、賃貸住宅に住んでいる人々は、この前提からさえ落ちこぼれているのです。

ここで、「貯蓄は必要か?」を検討した、前項のまとめを繰り返します。

貯蓄は、自分が働けなくなった時の備え。
日本の社会保障制度はOECD諸国と比較してさえかなり高負担である。
それでもセーフティーネットとしては不十分。
従って、貯蓄、あるいは、何らかの収入源は「絶対に」必要だ。


しかし、老後に備えて貯蓄することは、ほとんどの平均的な人にとって、今の生活を犠牲にすることなしには不可能であることが分かってきました。それどころか、今の生活には貯蓄をする余裕がなく、既に追い詰められている人々も多いのです。

では、どうすればいいのか?

貯蓄がないなら、何らかの収入源が「絶対に」必要だと言うことです。

図02の上部では、「社会保険給付」の他に、少ないながら、「勤め先収入」や「事業収入」、それに「その他収入」があります。つまり、これらを大きくする以外に、「生きられない」可能性が高いのです。

ここで、投資からの収入は、「その他収入」に含まれます。

そこで私は、「投資収入」につながる話をしています。投資は、「勤め先収入」や「事業収入」がない人でも、今の収入不足を補い、将来に備えての貯蓄を増やす可能性があるものなのです。


「では、貯蓄は可能か?」と見てきた、この項のまとめです。

平均給与の手取り額では、貯蓄を積み上げることは難しい。
収入増の手段として、投資から目を背けるのは、場合によっては「命にかかわる」。



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・新著の問題集から、「では、貯蓄は可能か?」に関連した問題です。

問題09:世界から乖離していく日本の実質賃金 (答えはP ←タップ)

1997年の労働者の実質賃金を100とした指数で、2016年にスウェーデンの実質賃金は138.4に上昇しました。オーストラリアは131.8。経営者と従業員の所得格差が拡大し続けている米国は115.3でした。

さて、2016年の日本の実質賃金指数はいくつだったでしょうか?

1、約110
2、約100
3、約90


問題10:名目賃金のターニングポイントも消費増税と一致 (答えはP ←タップ)

実質賃金とは、名目賃金(現金給与総額)からインフレ率を引いたものです。つまり、インフレ率がプラスだと、実質賃金は名目賃金よりも低く、マイナスだと高くなります。

日本は1989年度に3%の消費税を導入し、1997年度に5%に、2014年度に8%に、2019年度に10%に、税率を引上げてきました。

こうした消費増税は、名目賃金の動向にどのような影響を与えたでしょうか?

1、増税で企業業績が悪化、名目賃金が下がった
2、増税分を企業が補填、名目賃金が上がった
3、大きな変化は見られなかった

参照:日本が幸せになれるシステム問題集・日本経済の病巣を明らかにするための57問(著者:矢口 新、Kindle Edition)


「では、貯蓄は可能か?」で見てきたように、現状の日本では追い詰められてきている人々が大勢います。そして、このままでは大多数の人々が追い詰められるのは時間の問題なのです。

これは、過去30年余りのトレンドを見ていれば、避けられない事態なのです。

日本人の選択肢は2つです。

1つは、「その他収入」を増やすことです。経済犯罪の増加もその流れだと思われますが、合法的かつ一か八かでもないのが、私などがお伝えしている「投資収入」です。

もう1つは、過去30年余りのトレンドを変えることです。そのために、私ができることは、より多くの人々に日本の現状を伝えることです。

「1988年度の税収は50.8兆円で、税収に消費税が加わった1989年度から2019年度までの31年間の平均税収は50.7兆円だ。この間、日本経済は1.41倍(円建て)に、世界は4.42倍(ドル建て)に成長したことを鑑みると、こんなに分かりやすい衰退の原因は見当たらない。この歪んだ税制さえ変えれば、日本は良くなる可能性が高いのだ。仮に、日本が世界の標準並みに成長し、当時の税制でそのまま税収増があったとしたなら、2019年度の税収は224.5兆円に達していた。」


それで、以下のものを出版しました。英文でも書いたのは、このトレンドは概ね世界共通のものなので、世界的に貧富格差の拡大、市民蜂起や争乱の増加が見られているからです。どこかが変われば、真似をする国が出てくる。それが日本を変えることにもつながると考えています。(その逆もまた真なり?)



・Book Guide:What has made Japan’s economy stagnant for more than 30 years?/ How to protect the pension and medical care systems (Arata Yaguchi: Kindle Edition)

 

・Quiz Book:What has made Japan’s economy stagnant for more than 30 years?: 57 questions to reveal the problems of the Japanese economy (Arata Yaguchi: Kindle Edition)

 

・著書案内:日本が幸せになれるシステム・65のグラフデータで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、Kindle Edition)
 

・新著案内:日本が幸せになれるシステム問題集・日本経済の病巣を明らかにするための57問(著者:矢口 新、Kindle Edition)




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