・米911テロから20年 | 矢口新

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☆米911テロから20年

 

・米国による大規模軍事介入の終焉?

 

私の知人なども犠牲になったニューヨーク、ワールドトレードセンターへのテロ攻撃から9月11日で20年が過ぎた。

 

米国がその報復として、テロの首謀者が逃れたとされたアフガニスタンに侵攻したことで始まったアフガン戦争は、この8月になってようやく終結した。

 

 

ジョー・バイデン大統領は8月31日、国民向けの演説で「ずっと前に終わらせるべきだった戦争を終結させた」などと述べ、アフガン戦争の終結を正式に宣言した。

 

バイデン大統領はアフガニスタンで20年間続いた米国の戦争を終結させた決断を声高に擁護し、他国を再建するために米国の大規模な軍隊を展開する時代は終わったと述べた。

 

「アフガニスタンにおけるこの決断は、アフガニスタンだけには限らない。他国を作り変えるための大規模な軍事行動の時代に終止符を打つことを意味する」と、大統領は述べた。

参照:Biden says the era of U.S. nation building is over as he marks the end of the Afghanistan war

 

 

この決定には批判も多く、バイデン政権の支持率は急落した。

 

批判は撤退に当たって米軍に犠牲者が出たことや、後に軍事介入の目的となっていたアフガニスタンの「民主化」を、多くの人的、金銭的な犠牲を出しながら失敗したことなどに対してだ。

 

英国など米国の最も親密な同盟国でさえ、カブールでの失敗を1956年のスエズ危機になぞらえ、米国の撤退を公然と批判している。スエズ危機は英国の国力の限界を露呈し、英国の戦略的後退を促進した。

 

とはいえ、米軍撤退後も、タリバンを正当な政権だとして承認した国はまだないようで、米国と同盟国、ワールドバンク、IMFなどはアフガニスタンへの制裁を始めることになった。一方、トルコとカタールはカブール空港の運営で協力する見通しだ。

 

 

私はバイデン大統領の決断を「英断」だと見ている。アフガニスタンからの撤退は、オバマ政権時代から考慮されてきたことだが、「他国を作り変えるための大規模な軍事行動の時代に終止符を打つ」と名言したからだ。

 

米国は民主主義国だ。民主主義は自分の考えを暴力で他人に強いることではない。その意味で、これまでの米国は自己の拠り所に関する本質的な矛盾を抱えてきた。

 

今後はどうか? バイデン大統領はその言葉を守り続けることが出来るのか?

 

私は出来ると思っていたが、バイデン政権の支持率低下を見ていると、米国人の本音は「他国への軍事干渉」だということも考えられる。

 

 

 

・アフガン戦争

 

私はメルマガを2001年に始めたので、「アフガニスタン」で昔のコメントを検索してみた。今となれば忘れていることも多いと思うので、もう一度、この戦争は何だったのかを振り返ってみたい。ちなみに、私は英文メディアと日本のメディアからだけの情報をもとに書いているので、米国への批判も主に米国内から出てきたものだ。

 

 

以下が検索結果(一部のみ。引用部分は原文のまま)。

 

2001年:

 

ドル安定へ道のり遠く・報復テロ不安、市場に根強く(日経10/19/01)

外国為替市場では、ドル急落への不安心理を払しょくできない展開が続いている。米国によるアフガニスタンへの軍事行動をきっかけに報復テロが引き起こされるとの懸念が根強いためだ。市場の不安は米政府を支持する欧州諸国にも広がっており、景気悪化が深刻な日本の円が下支えされるという奇妙な構図ができあがっている。

 

 

炭疽菌による被害が拡大するに及んで、アメリカの当局は郵便物の安全性は保障できないと発表しました。ブッシュ大統領を圧倒的に支持するアメリカの総意によって、テロとの「全面戦争」に踏み切ったことで予想されていた反撃を受け、アメリカ人の日常生活は日毎に暮らしにくいものとなってきています。

 

いっぽうのアフガニスタン人は自らの預かり知らぬところでの、比較的少数の人間の選択により、命からがら逃げ惑う生活を強いられています。アフガンの人々に残されたものはほとんど命だけなのに対して、アメリカ人には命の他にも財産や貴重な日常生活が残っています。この戦争は「自由と便利さとを追及する人々」にとっては割りの合わないものです。

 

ビン・ラーディンを殺しても支持者や、多くの理不尽な目に合っている難民や戦争孤児は残ります。

 

 

ーNew fears arise over repatriation of ethnic Russians (Asia Times, 10/23/01) ロシア系住民集団帰国の恐れが高まる

 

(前略)Following the collapse of the Soviet Union in 1991, millions of Russians in Central Asia became foreigners overnight, said Viktor Mikhailov, chairperson of the Slav movement in Uzbekistan. "It is sad that now the Russian Embassies in Central Asian capitals view us as Mongols, Chinese, or Angolans in terms of visa or citizenship application process," he told Russia's channel-6 television. 

1991年のソ連崩壊により、中央アジア諸国に暮らしていた何百万人ものロシア人たちは、一夜にしてロシア国籍を失った。「中央アジア諸国のロシア大使館はビザやロシア国籍取得にあたって、我々ロシア人をモンゴル人や中国人、アフリカ人同等に扱っている」(中略)

 

To improve the conditions of migrants, President Putin Monday ordered dissolution of Russia's migration ministry and transferred its functions to the interior ministry, which is now charged with tackling immigration issues, and dealing with the presence of nearly 1 million illegal aliens in Russia. 

こういった移民問題に対処するため、プーチン大統領は月曜にロシアの移民局の廃止を決め、職務を内務省の管轄に置いた。ロシアには現在約100万人の不法滞在の外国人が暮らしている。ー

 

 

2002年:

 

ラムズフェルド米国防長官は3日、アフガニスタンのタリバン勢力が空爆停止の約束と引き換えに最高指導者、オマル師の身柄引き渡しに応じる姿勢を見せているとの報道に関して、一切の交渉に応じず空爆を含めた軍事作戦を続行する考えを強調した。米軍は同日、今年に入って初めての空爆も実施した。ー(日経、1/4/02)

 

 

ーパキスタンのムシャラフ大統領は18日、米CNNテレビとのインタビューで、米軍が追跡しているウサマ・ビンラディン氏が既に病死した可能性が高いとの見方を明らかにした。

 

大統領は「彼(ビンラディン氏)は腎臓(じんぞう)病を患っており、率直に言って病死したと思う」と述べ、同氏が米軍のアフガニスタン攻撃により十分な医療を受けていないとの見解を示した。ビンラディン氏が死亡していなければ、まだアフガン国内に潜伏しているとの見解を示した。-

ー(共同、1/18/02)

 

 

ーWar profiteering

Cashing in on the post-9/11 defense build-upー{USNews, 5/13/02}

http://www.usnews.com/usnews/issue/020513/usnews/13boeing.htm

 

ーHouse passes $383 billion defense bill

359-58 vote will provide biggest real-dollar boost in Pentagon spending since 1966.ー{USAtoday, 5/10/02}

http://www.usatoday.com/news/washdc/2002/05/10/defense-spending.htm

 

 

アフガニスタンのカルザイ政権はアメリカ軍が護衛(監視)している傀儡政権です。傀儡政権や王政復古を考える現在のアメリカ政府は、民主主義からもっとも遠い国となっているようです。911のテロ後に容疑者として逮捕されたのは千人単位だと言われていますが、名前の公表もなされていないので、何人が逮捕され、うち何人が処刑されたのかも知るすべはないでしょう。千人単位の人が忽然と拉致され姿を消したのです。

 

 

思えばアメリカが要注意国に挙げている国々には共通点があります。もっともグローバル化が遅れている国々です。アフガニスタンのタリバン政権も、多くの国々と相互依存の関係を築いていたなら、ああもたやすく見捨てられることはなかったのではないでしょうか?

 

 

またニューズウィーク誌の最新号は、アフガニスタン北部で昨年11月、米国の支援する北部同盟が、降伏したタリバンの捕虜数百人から約1,000人を刑務所に輸送するため、密閉した貨物車に詰め込んで窒息死させ、共同墓地に埋めたと報じています。

 

このアフガン戦争は、アメリカや日本を含む追随国ほとんどの大国が集って、罪を犯したという証拠も見せずに小国を制裁した、おそらく有史以来最初のケースとして人類史の汚点となるかも知れません。

(参考)http://www.msnbc.com/news/795153.asp

 

 

2003年:

 

たとえば、アフガニスタンのタリバン前政権が偶像崇拝を排除し、国民の近代化をうながすという名目でバーミヤンの遺跡を破壊したことは、文化的な蛮行とはいえ、国際平和を脅かしたことにはなりません。タリバンが考えた自国益が、他の国々の国益を犯した形跡はありませんでした。

 

いっぽう、日本も十分に貢献したとされる連合国による爆撃は、アフガニスタンの町々を破壊し、多くの人命を奪いました。アフガニスタンの国益は、オサマ・ビン・ラディン氏が逃げ込んだということだけで、侵害されてしまいました。

 

しかしアフガン空爆は、爆撃を行った、あるいは日本のように支援した国々の国益にもかなっていません。むしろ「自由で便利で、安全で豊か」というゴールから遠のいています。アフガニスタンでの殺戮破壊は、一部の私益にかなったのみです。国として利益を得たところがあるとすれば、経済制裁を解かれ、債務まで棒引きにされたパキスタンと、インドくらいでしょう。これらの国は、一部の私益に便乗して、うまく立ち回ったと言えます。

 

 

911以降のアメリカは変わりました。一部の見方では、アメリカは自らを変えるために、911を起し利用しました。オサマ・ビン・ラディン氏も、いつもアメリカが攻撃したい目標地に逃げ込んでくれているかのようです。イラクのABC兵器(Atomic、Biological、Chemical)疑惑でも、パウエル国務長官のように「証拠はあるが見せられない」と言うのでは、証拠などなくてもアメリカの思うままです。

 

いまのアメリカは、世界貿易の安全確保と自由取引の阻害要因となっています。株式市場も、イラクや北朝鮮の動向ではなく、アメリカの動向に一喜一憂しています。アフガニスタンもそうでしたが、これらの国々が世界平和を脅かす要因だと、誰が本気で信じているでしょう?

 

 

それよりもブッシュ政権の政策の方に大きな矛盾があります。

 

アフガニスタン政策が象徴的です。オサマ・ビン・ラディン氏が逃げ込んだとされた時に、パキスタンやインドにしたのと同様、アメリカに協力するならばという条件でタリバンに援助を申し出た経緯があります。協力を約束したパキスタンやインドは、それまで大量破壊兵器である核兵器の実験をしたかどで、経済制裁を受けていたにも関わらず、制裁が解かれ、債務まで棒引きにされました。

 

いっぽう、拒絶したタリバン政権は、何ら国際平和にとっての脅威でもなかったにも関わらず潰され、代わってアメリカ軍が護衛しないと存続できないカルザイ政権をつくりました。そして、かってはそれなりの支持を得ていたタリバンは、野蛮で偏執的な宗教団体ということになりました。

 

ここで明らかなのは、アメリカにとっては大量破壊兵器云々というのは、政策を左右する柱でも何でもなく、アメリカに従順かどうかが柱となっていることです。反米政権だと判明すれば、パナマのように一夜にして潰されますし、親米ですと、現アフガニスタンのようにアメリカ軍が護衛し、国際援助を受けることもできます。

 

 

そのようにして先に「解放された」アフガニスタンは、必ずしも周辺諸国がうらやむ見本とはなっていません。アメリカ軍が守っているカルザイ政権は、アメリカの援助は不十分だと更なる支援を要求しています。

(参考)http://edition.cnn.com/2003/ALLPOLITICS/02/27/us.afghanistan/index.html

 

アフガニスタンが本当にタリバン時代よりも良くなったのかも疑問です。

(参考)http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20030227/mng_____kok_____005.shtml

 

 

私はイラクのプロパガンダを伝えているのではありません。戦争準備中の米英のメディアと、それを支持する日本のメディアが唯一の情報源です。アメリカのメディアでは、アフガニスタン攻撃にはほとんど見られなかった開戦慎重論が対イラクでは高まってきています。

(参考)http://www.nytimes.com/2003/03/02/weekinreview/02PURD.html

 

 

日本は着々と軍備の拡大をすすめています。発注先はアメリカの企業ですから、日本の景気回復にはほとんど貢献しません。

(参考)http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20030306AT1E0400L05032003.html

 

先々週は軍需産業、先週は医薬品会社と、戦争によって恩恵を受けるアメリカ企業をご紹介しましたが、今週はいわゆる軍属。軍隊の兵站など、戦うこと以外のすべてを請負っているといわれる企業です。徴兵まで行うそうです。カルザイ政権の警備も請け負っています。

(参照)http://www.fortune.com/fortune/articles/0,15114,427948,00.html

 

日本でも太平洋戦争時の旧軍属が、高度成長期まで日本の政財界を牛耳っているといわれたことがありました。記事では Cubic、DynCorp(Computer Sciences Corp)、ITT、MPRI(L-3 Communications)などの企業名が挙がっています。太平洋戦争時のアメリカ軍が最強だったというのには異論のある方も多いでしょうが、軍属は間違いなく最強でした。そのアメリカ軍は当時からずっと継続している軍隊ですから、いまの軍属の力は相当のものでしょう。

 

記事を読むと、コソボ、コロンビア麻薬戦争、アフガニスタン、これまでのイラク情勢、どれも軍属にとってビッグ・ビジネスであることが分かります。

 

 

問題は、世界一の強国であるブッシュ政権下のアメリカが、軍事トライアングルの強い影響下にあることです。いまや国内外の反対勢力、あるいは牽制勢力は、十分に機能できていません。アフガニスタンは生贄とされ、イラク攻撃には多くが反対しながらも押し切られてしまいました。軍事トライアングルが現状維持では満足できず、拡大路線をとれば、毎年のように次々と標的を求めてくる可能性もでてきました。このアメリカによる世界支配(=世界人民の解放)を、止める勢力が見当たらないのが現状です。

 

 

まずは、シリアが次の標的のようで、シリアはフセイン政権の残党を匿い、化学兵器も所有していると非難しています。シリアが化学兵器を所有しているなら廃棄すればよいのですが、持っていなければ、無実を証明する手段はなく、イラクの二の舞になる恐れがでてきます。

 

また、イラクの陰に忘れ去られているかのようなアフガニスタンでも、アメリカは依然として空爆を続け、民間人(主に女性)を殺戮しています。

(参考)http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A24-2003Apr9.html

 

東京新聞も「イラク戦争 米流『おれが法律』の正当性」と題して、私などが感じていた疑問を取り上げてくれています。

(参照)http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20030412/mng_____tokuho__000.shtml

 

 

 

イラク攻撃の真の目的がどこにあろうと、これまでこのメルマガで繰り返しご紹介してきたように、ブッシュ政権が石油や軍需産業、軍属をつうじて、巨額の利権にからんできたことは事実です。ことにチェイニー副大統領は、イラク復興事業に関わりがあるハリバートンの前社長であり、アフガニスタンに利権を持っていたエンロンとのつながりもありました。

 

今週のフォーチュン誌は「Rummy's North Korea Connection」と題して、ラムズフェルド国防長官の北朝鮮がらみの利権を取り上げています。

(参照)http://www.fortune.com/fortune/articles/0,15114,447429,00.html

 

 

コソボやアフガニスタン、イラクなどでアメリカ軍はしばしば友軍をも(誤って)攻撃しています。

 

先日もイラクで、アメリカ軍に協力しているイラク人警察を8人殺害しています。5メートルほどの至近距離で「警察だから、仲間だから撃つな」と言っているにも関わらず、1時間も砲撃を続けたそうです。

(参照)U.S. Kills 8 Iraqi Allies, Bush Seeks World Help

http://www.reuters.com/newsArticle.jhtml;jsessionid=VUUYXYXIZP5NMCRBAELCFEY?type=topNews&storyID=3437152

(参照)U.S. Soldiers Are Said to Kill Iraqi Policemen by Mistake

http://www.nytimes.com/2003/09/12/international/middleeast/12CND-IRAQ.html?hp

 

 

イラクだけでなく、アフガニスタンでも、傀儡政権を支えるのはドルだけだからです。

(参照)米国、総額20億ドル前後の対アフガン追加支援を希望

http://www.reuters.co.jp/news_article.jhtml;jsessionid=G5MX5ALXQ1XKECRBAELCFFA?type=worldnews&StoryID=3471444

 

とはいえ、不況に苦しんでいる日本がアメリカのために10兆円をつかっているとはとても言えません。あくまで日本が主体的に行っている政策に見せかける必要があります。日本の家計も傷んでいます。

(参照)貯蓄減は世帯の5割、「貯蓄なし」も2割超す

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20030923AT1F2201H22092003.html

(参照)年金支給:年齢の引き上げ、減額の検討指示 小泉首相

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20030923k0000m010021000c.html

 

 

アフガニスタン:米のクラスター爆弾で126人が被害

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20031008k0000m030143001c.html

 

米空爆で死亡の子供9人、ボール遊び中 アフガン

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200312080010.html

 

 

イラクやアフガニスタンの復興ビジネスで潤っている企業の多くは、ブッシュ政権と共和党に大量の資金援助を行ってきた企業だそうです。

(参照)Report Says Iraq Contracts Reek of Cronyism

http://www.reuters.com/newsArticle.jhtml;jsessionid=JMZRYHD5LHUPQCRBAEKSFFA?type=reutersEdge&storyID=3726976

 

 

エンロンはアフガニスタンにパイプラインの建設を目論んでいましたが、開戦、時すでに遅く破綻してしまいました。ハリバートンはイラク戦争のおかげで業績が急回復していますが、不採算分野を破産申告するなどして立て直しを急いでいます。こちらは開戦が間に合ったと言っていいかも知れません。ボーイングなども軍の発注がなければ危ないところでした。

(参照)Halliburton units file for bankruptcy

http://money.cnn.com/2003/12/16/news/companies/halliburton.reut/index.htm

 

 

2004年:

 

1年半で112件の被害報告。イラクやクウェート、アフガニスタンなど海外に派遣された米軍女性兵士が、上官同僚に婦女暴行を受けた被害報告の件数です。

(参照)Rapes Reported by Servicewomen in the Persian Gulf and Elsewhere

http://www.nytimes.com/2004/02/26/national/26MILI.html

 

 

タリバン、フセイン政権は圧制をしいていたかも知れませんが、ブッシュ政権は日々殺しあう戦国時代のような国に後退させてしまいました。アメリカ国内でも強力な銃器が解禁されています。

 

911のテロ後は「安全か自由か」と二者択一を迫り、自由を取り上げたブッシュ政権ですが、はたして安全になったのでしょうか? アフガニスタン、イラクでは基本的人権や国際ルールを無視した形で戦争を始め継続していますが、国内でもどこまでルールが守られているかは疑問です。

(参照)米大統領選:電子投票の激戦州で異様なブッシュ票

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20041108k0000m030041000c.html

(参照)米大統領選:電子投票機のトラブル報告、相次ぐ(下)

http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20041105204.html

 (参照)ブッシュ再選の意味

http://tanakanews.com/e1107bush.htm

 

 

国連安保理が武力行使を容認する5つの基準

 

(1)明確で深刻な脅威があるか(2)武力で脅威を止められるという目的が適切か(3)他の交渉が役に立たず、最終手段であるか(4)部隊規模や期間、攻撃の強さが必要最小限か(5)武力が結果に見合うか-の五つの基準を挙げた。(1)の明確で深刻な脅威には大量虐殺や民族浄化、著しい人道危機も含まれる。

(参照)武力行使に5つの基準:国連報告書

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20041202/mng_____kok_____003.shtml

 

ブッシュ政権が継続中の2つの戦争(紛争)、アフガニスタン、イラクのどちらも、この基準をたったの1つも満たしていないといえます。日本が常任理事国になりたいのなら、これに賛同する必要があると思いますが。

 

 

2005年:

 

911テロ以来多くの(テロ容疑者とみなされた)人が各国でCIAに人知れず拘束され、あるいは地元警察により拉致されてCIAに引き渡され、ボーイング737で外国に運ばれ拷問を受けていると、米CBSの人気特集番組「60 Minutes」で報道されたようです。

(参照)CIA Flying Suspects To Torture?

http://www.cbsnews.com/stories/2005/03/04/60minutes/main678155.shtml

 

これまでに600回の飛行で40カ国に運ばれ'You're in a country without laws and no one knows where you are. Do you know what that means?(お前は法律にない国にいる。お前がどこにいるかは誰も知らない。このことの意味が分かるか)'と拷問されるのだそうです。

 

行き先のもっとも多いのはヨルダン、アフガニスタン、モロッコ、イラクで、次いで、エジプト、リビヤ、キューバのガンタナモ・ベイだそうです。

 

この行き先がすごいですね。ガンタナモ・ベイはキューバの敷地とはいえ米軍の管轄地でタリバンを拘束しているところ。アフガニスタンやイラクは米軍により民主化され「自由」が与えられたところ。驚きはリビヤで、カザフ大佐とはアメリカの敵No1とも言われた人でした。政治の奥(闇)は深く暗いですね。

 

 

もっとも危険な旅行先

(参照)Most Dangerous Destinations 2005

http://www.forbes.com/2005/05/05/cx_sb_0505feat.html?partner=daily_newsletter

 

アジア、アフリカの紛争地域ばかりです。1位がアメリカにより無理矢理「解放・民主化」されたアフガニスタンであるのは、皮肉ですか?

 

 

米国CIAの長官はオサマ・ビン・ラディン氏の消息をつかんでいるが、氏が一連のテロに関与したというかどで有罪にする十分な証拠がないので逮捕できないでいると述べています。

(参照)CIA chief has 'excellent idea' where bin Laden is

http://edition.cnn.com/2005/US/06/20/goss.bin.laden/index.html

 

では、アフガニスタンで殺された多くの人々は、放逐されたタリバン政権は、いまなおカルザイ傀儡政権のもとでの内戦で苦しんでいる人々は、いったい何のためにアメリカやその協力者である我が国から裁きを受けたのでしょうか。企業だけでなく国家の指導者にももっと説明責任があって欲しいものです。ここでも株主(納税者)無視の経営(行政)がまかり通っています。

 

 

2006年:

2007年:

2008年:

2009年:

 

 

ゴア氏は、クリントン元大統領のもとで副大統領を務め、2000年には大統領選に立候補した。得票数では共和党候補のジョージ・W・ブッシュ氏を上回ったが、ブッシュ氏の実弟が知事を務めるフロリダ州での開票手続きについての不透明なゴタゴタの後、落選が決定した。このフロリダ州での開票手続きは、非常にグレーなものではあったが、ゴア氏はクレームをつけることもなく落選を認めた。その後、2001年9月11日に起きた同時テロで、ブッシュ前大統領の国民的人気は確立した。

 

そのテロとの戦いでは、ブッシュ前大統領は、主犯とされたオザマ・ビン・ラディンの逮捕やテロ組織アルカイダのせん滅には失敗し、ほぼ無関係のイラクとアフガニスタンの両国を内戦の泥沼に追いやっただけだった。もっとも、イラク攻撃などの影響もあって、原油価格は一時147ドルの高値をつけた。

 

その間に、在野に下ったゴア氏は、地道に環境問題の啓発に努め、ノーベル平和賞まで受賞した。いま、世界は環境問題に目覚め、エコは今後の経済発展の主要テーマとまでなっている。選挙に勝ったブッシュ前大統領はイラクとアフガニスタンしか変えられなかったが、負けたゴア氏は、21世紀の世界を変えたというのだ。人生、最後まで分からないものだ。

 

それにしても、ゴア氏は奥が深い。同氏と大統領選を争ったブッシュ前大統領が、イラクやアフガニスタンで何を行ってきたかを、すべて知りながら、政治的には沈黙を守り、環境問題という自分の土俵だけで勝負を続けた。

 

日本のメディアは黙っていたが、タリバンが911テロとは無関係。イラクのフセイン前大統領もテロとは無関係で、大量殺戮兵器も所有していなかったことは、開戦当時から公然の秘密だった。その頃、私でも、「田中宇の国際ニュース解説」(参照:http://tanakanews.com/)などにより、タリバンやフセイン大統領が無実であると、ほぼ確信できていたのだから、ゴア氏が知らないはずがない。

 

少なくとも罪状に関しては無実のサダム・フセイン前イラク大統領が処刑されたのが、2006年の暮れだ。歴史に「もしも」はないが、2000年の選挙で、得票数通りにゴア氏が大統領になっていたなら、フセイン大統領は今も生きているのではないだろうか。そして、ゴア氏のノーベル平和賞受賞もなかったかもしれない。

 

とはいえ、イラク、アフガニスタンの惨状は今も続いている。ブッシュ大統領、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官は既に退任し、今に忘れ去られるだろう。そして、アメリカは変わり、エコが今後の経済発展の主要テーマとまでなった。これからは、弱者の悲哀が少しでも少なくなる世界になるのだろうか?

 

 

911テロへのブッシュ大統領の対応が典型だ。巷で言われているように、イラクやアフガニスタンへの攻撃が、チェイニー前副大統領や一部の人々などの利権に関わるものでないとしたら、テロリストへの報復攻撃として、自国軍を危険に曝し、直接関係のない2つの政権を潰し、2つの国を内戦状態に陥れるのは、稚拙な政治だとしか言えないだろう。

 

つまり、プロの政治家が2001年9月11日以降に行ったことが、利権あさりか意味のない破壊かのどちらかだったのだ。恐ろしいことだ。

 

 

2010年:

 

視点というのは恐いものだ。アフガニスタンで拉致されていたフリージャーナリストの常岡浩介氏は、氏を拉致していたのはタリバンでなく、カルザイ政権につながるならず者集団だとした。

 

日本で報道されるアフガン情勢は、防衛専門家など識者の意見も含めて、アメリカ側の視点から見ている。そこでは、まだタリバンが国土の大半を占拠していて、「治安」が悪いとされている。カルザイ政権がアフガニスタン人民に選ばれた正当な政府ならば、その見方で正しいかもしれない。そうなると、国土の大半を実効支配できないことが矛盾する。

 

2001年9月11日に起きた同時テロの主犯とされたオサマ・ビン・ラディンがアフガニスタンに逃げ込んだとされた時、同国の正当な政府はタリバン政権だった。アメリカのブッシュ政権はタリバンにオサマ・ビン・ラディンの逮捕、アメリカへの引き渡しを要求したが、タリバン政権は拒絶というより、けんもほろろの扱いをした。

 

同じことが日本に要求されたらどうだろうか? 証拠も何もなく、いるかいないかも分からない人物を逮捕して引き渡せと言われたら、どうするだろう。「困ってしまって」、似たような外国人をつかまえて、冤罪に仕立て上げるのだろうか?

 

ところが、それでもブッシュ政権は満足しないだろう。もともと、テロとオサマ・ビン・ラディンの関係など推測でしかないし、真の狙いは資源だったことが、当時からアメリカのメディアですら報道していた。

 

ないものを出せというのは、大量破壊兵器がないことを証明しろとしたイラクへの要求と軸を同じくする。いわゆる、無実の証明を強いたのだ。

 

タリバンは基本的に孤立していたが、何ら外交努力もせず、アメリカの要求を単に無視した。何をしても無駄だと分かっていたからかもしれない。結果は周知の通りだ。

 

タリバンの視点から見ると、国土防衛戦争は未だ続行中だ。カルザイ政権は、第二次世界大戦中にナチスがフランスに傀儡として作ったヴィシー政権以下の存在だ。ドゴールはロンドンに亡命政権を作ったが、当時の国内にはヴィシー政権しかなかったからだ。

 

タリバンは国土の大半を実効支配し、カルザイを政権とは認めていない。米軍が勝手にでっちあげた政権だからだ。オバマ政権はイラクに次いで、アフガニスタンでも前政権の尻拭いをしている。高度の政治テクニックを駆使して、アフガニスタンから引き上げるつもりだ。そうなると、アフガニスタンの政治体制は2001年以前に戻ることになる。タリバンは国土を守り通したことになるのだ。他国にとってそれが気に入らなくても、アフガニスタンの人々の選択だったと認めるしかない。

 

カルザイ政権は、誰かがブッシュ政権の傀儡を務める必要があってできた政権だ。タリバンやアフガニスタンの人民を向うに廻して引き受けるのだから、それなりの人物だ。相当肝の据わった、ならず者だ。

 

おそらく自身がそのことを一番知っているようで、米軍や国連軍の庇護は受けたが、今は、その後の準備に忙しいようだ。通常なら亡命するしかないのだが、カルザイでなければ、誰かが引き受ける必要があった政権だし、お互いが利用し合っていただけで、必ずしも米軍や米国に協力的ではなかったので、そのままアフガニスタンに居続けられるかもしれない。タリバンが許すとは思えないが、、、

 

常岡浩介氏はタリバンに拉致されたと報道されたが、事実はカルザイにつながるならず者集団に身代金目的で拉致され、タリバンが氏を解放したと語った。

 

カルザイ一味だというのに、その集団は「お前が日本人なので命を助けた。アメリカ人ならば即座に殺していた」と語ったというから、複雑だ。

 

常岡氏はまた、「日本政府が身代金を払わないで良かった。前例を作ると、これからの人が危なくなる」と語った。

 

 

これまでの歴史を振り返れば分かるが、どのような友好国のためでも、自国にメリットがなければ、他国のために戦争をすることはない。極東でアメリカ人が日本人や韓国人のために命を落とすことを、アメリカ人は決して許さない。イラクやアフガニスタンは、911テロの延長線上だからできたことだ。

 

アメリカが日米安保条約のもとに、日本と共にどこかと戦争する場合は、明らかにアメリカにとってメリットがある時だけだ。過去の事例に照らし合わせれば、その国が米本土や米艦船、米要人に直接のテロを行うか、あるいは、そのことを口実に、アメリカが日本や韓国に対する支配力を強めることができる時だ。

 

 

2011年:

2012年:

 

先週16日衆院が解散され、12月16日の総選挙で新たな政権選択が行われる。鳩山、菅、野田と続いた民主党政権が行ったことで最悪なのは、政治家を信じるための拠り所をなくさせたことだ。今回の総選挙に向けて、どの政党が、どの政治家がどんなことを約束しようと、国民はそれを信じる拠り所を持たない。マニフェストだけではない。民主党に限らず、仲間うちでの裏切り、追い出し、分裂。政党政治の末期的な症状を見せられた思いだった。

 

これほど政治家のレベルが低いのは、私は日本政府が一種の植民地政府であるためかと思う。イラクやアフガニスタンの米国の傀儡政府ですら拒否する「地位協定」を日本が堅持し、選挙の争点にすらならないのは、誰もが日本の地位が米国よりも下であるということを、当たり前の事だと思っているからだろう。

 

 

2013年:

 

911テロの首謀者はオサマ・ビン・ラディン氏だとされたが、米国のメディアですら、氏は関係しておらず、陰謀説を唱えるところもあった。その真相は、無防備で簡単に身柄確保できたはずの同氏を、オバマ大統領がカメラで見守る中で射殺したことで、米政府自身が闇に葬ってしまった。

 

アフガニスタン侵攻は、当時の正当な政府であったタリバン政権が、オサマ・ビン・ラディン氏を匿ったことが理由だとされた。とはいえ、タリバン政府とオサマ・ビン・ラディン氏の関係も、オサマ・ビン・ラディン氏と911テロとの関係も、米政府自身が明らかにしないままに封印した。

 

 

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」などと、実体験を貶めるような格言もあるが、その学ぶべき歴史がどこまで正しいと判断できるのか? 私たちがこの10年ほどの間に見てきた911テロやイラク戦争、アフガニスタン戦争、もっと身近では原子力発電の実態ですら、真実がどこにあるか諸説が入れ乱れている。

 

目の前の事象ですらこうなのだから、将来において、私たちの子孫がどんな歴史を学ぶことになるのかは誰にも分からない。つまり、実体験による自己の判断基準が確立されていなければ、嘘の歴史でも丸呑みするしかないのだ。それを賢者とでも呼ぶのだろうか。現場たたき上げの職人を自負する私にとっては、経験に学ぶことを愚者と言われては叶わない。

 

 

2014年:

2015年:

 

 

フランスのオランド首相は「我々は戦争状態にある」としたが、反撃されない戦争はあり得ない。これまでイラク、アフガニスタン、シリアなどと全面戦争になっていないと感じてきたのは、圧倒的な力の差があるためだ。イラク、アフガニスタン、シリアなどにとっては既に全面戦争だと言ってよく、彼らの日常生活は破壊されている。

 

 

ISテロの根本的な問題

 

欧米の若者が多数参加しているということで、ISテロの根本的な問題は、欧米諸国内部にもあることが察せられる。というより、もともとイラク、アフガニスタン、シリアなどが、欧米に対して「戦争」を仕掛ける気配があったわけではないので、むしろ問題は、欧米内部の問題であるといえる。要因を3つ挙げるとすれば、私は以下のようなものだと見なしている。

 

1、欧米の中東政策の失敗

2、先進国の所得格差の拡大

3、欧州の若者の失業率の高止まり

 

2は、欧米だけでなく、日本や中国でも顕著になってきている政治経済の問題で、一朝一夕で解決する問題だとは思えない。

 

3は、ユーロ圏の各国が独自の経済政策を捨てたところに問題があるので、ユーロを維持している限り、解決することは困難だ。

 

そこで1だが、どの情報を信じるかで判断が分かれることになり、解決できる問題かどうかも判明する。とはいえ、私はアラビア語やペルシャ語が分からないので、欧米が提供する資料を信じることになる。スノーデン氏の暴露は、私の見方を補強してくれるが、それを基に何かを判断することはできない。

 

 

先頃、米政府が公表した対外支援金の行先は刺激的なものだった。総額350億ドルのうち、31億ドルがイスラエル、15億ドルがエジプト、11億ドルがアフガニスタン、10億ドルがヨルダン、9億ドルがパキスタンに向かっている。

参照地図:Here’s where the U.S. sent $35 billion in aid last year

http://www.marketwatch.com/story/heres-where-the-us-sent-35-billion-in-aid-last-year-2015-10-30

 

 

2016年:

2017年:

2018年:

 

 

米国の経済制裁の対象国は2017年10月時点で、ロシア、ベネズエラ、キューバ、北朝鮮、イラン、イラク、シリア、リビア、ソマリア、イエメン、コンゴ、スーダン、ベラルーシ、リベリア、中央アフリカ共和国、ジンバブエ、ウクライナ、レバノン、南スーダンの19カ国とされている。これほど、他国を「制裁」しているのは米国だけだが、これは1強であるためだ。

 

米軍により一般人が殺害された上記の国々うち、アフガニスタンを除く5カ国が、経済制裁も受けている。このことは状況が許せば、米国は他の経済制裁国14カ国でも、武力行使を行う可能性があることを示唆している。例外のアフガニスタン政府は、経済制裁どころか、反対に経済援助と軍事援助を受けている。米の傀儡政権がタリバンと戦っているからだ。

 

米ブッシュ政権は2001年にアフガニスタンに侵攻した。タリバン政権が、911テロの首謀者とされたオサマビンラディン氏の引き渡しに応じなかったという名目だった。それ以前から、タリバンによるバーミヤン遺跡の破壊などが世界的に報道されていたので、米軍はアフガニスタン国民をタリバンから解放する正義の味方だという印象だったが、17年経った現在も、タリバンはアフガニスタンでの最大勢力を維持している。国内では支持されているのだ。

 

そのオサマビンラディン氏は、隠れ家で家族との団欒中に、丸腰のまま、裁判にもかけられずに、米軍によって殺害された。オバマ政権の頃だ。テロ被害者のはずの米国は、真相を解明するチャンスを得ながら、自ら闇に葬ったのだ。法治国家としては、あるまじき行為だ。

 

トランプ政権になって、米軍はアフガニスタンに追加配備することを決めた。その理由として、米国はこれまでアフガニスタン戦争で7000億ドルを費やしたが、同国には少なくとも3兆ドルの価値の鉱物資源があり、十分に回収可能なためだという。

 

トランプ政権になって、少なくとも1つだけ、良くなったことがある。「トランプ氏のツイッターによって、しばしば米国の本音が聞けるようになった」ことだ。公式発表やメディアの報道を見る限り、米国がなぜアフガニスタンに攻め入ったのかが、どうもよく分からなかった。バーミヤンの遺跡破壊が野蛮なら、イラクのメソポタミア文明の遺跡を空爆し、壊滅させたのは誰なのか?

 

トランプ政権が教えてくれたのは、米国は経済的な利益のために戦争を起こすということだ。これまでもそういう見方があり、私などもデータから、そう見ていたが、それらは陰謀説だと退けられていた。トランプ大統領は、政治と言うものを分かりやすくしてくれたのだ。他の国の首長たちも、自己の利益のための政治を行っているが、米国は1強なので、戦争まで起こせるのだ。

 

アフガニスタンは、米国という1強に対する対応を間違えた。タリバンが脅しに屈しなかったからだ。イラクやシリア、リビアも間違えた。イエメンやソマリアは、内戦で対応そのものができない。そういった国々では、米軍が2017年にも一般人を殺害している。

 

 

2019年:

2020年:

2021年:

 

 

一面だけを見るのは不公平だ。「一事が万事」と決めつけるのは危うい。まずは、こういう現地からの報告があったことを思い出して頂きたい。

参照:故・中村哲医師が語ったアフガン「恐怖政治は嘘、真の支援を」

 

 

2021年8月16日、タリバンがアフガニスタン398地域中、首都カブール含む391地域を制圧した。2001年10月7日に不朽の自由作戦の名の下で空爆を開始した米軍に、同年末に政権を奪われて以来、約20年ぶりに政権を奪還した。

 

 

現状のアフガニスタンには国際機関や各国政府の交渉相手がいないことを意味する。つまり、タリバンが「更生」しない限りは、これまで米国などが行ってきたように、タリバンの対抗勢力を傀儡政権とし、承認するというのが国際社会の基本方針だということになる。とはいえ、そのことは20年かけても失敗で終わったのだ。

 

このことで、アフガニスタン中央銀行の米ドル準備95億ドルや金準備22トン、IMFのSDRを引き出す権利は誰にもなくなり、米軍がいた頃から既に飢餓状態にいるという1400万人のアフガニスタン人たちが苦しみ続けることになる。

 

また、タリバンを承認しないことは、対抗勢力をこれまで通り実質的に支援することになる。実際に、既にかつての北部同盟(故中村哲医師も言及)が動き始めたとの報道があった。しかし、米軍などがいて、それらが後ろ盾となっている政府軍がいても、タリバンの全土制圧を許したのだから、これは単にアフガニスタンの治安悪化に繋がり、経済的自立を遅らせることだけを意味するのではないか? 

 

私は国際社会はタリバンを承認し、故中村哲医師が訴えたように飢餓状態のアフガニスタンの支援を始める、少なくともアフガニスタンの資産凍結は止めるべきではないかと思う。困窮しているアフガニスタンの経済的自立を妨げているのは、国際社会なのだ。

 

 

物価の高騰と銀行の閉鎖が、カブールの悲惨に追い打ち。タリバンによる電撃的なカブール掌握から1週間が経ち、アフガニスタンの首都では仕事を失い、銀行のシャッターが降り、食料価格が高騰するなかで、毎日を何とか生き抜くための困難に直面する人々が増えている。

 

「どうしていいか分からない。自分の安全、生存、あるいは子供たちや家族を養うために、何を最初に考えるべきなのかが分からない」と、妻と4人の子供たちを養っていた260ドルの月収の失い、今は身を隠している元警官が述べた。

参照:

Rising prices, shuttered banks add to misery for Kabul

 

 

 

・アフガニスタン戦争のコスト

 

米フォックス・ニュースは「アフガニスタン戦争の数値」として、ハーバード大学とブラウン大学の研究者たちが調べた数値を掲載した。以下に翻訳して引用する。小見出しのタイトルに番号もつけておいた。

 

 

(引用ここから、URLまで)

 

1、戦争の人的コスト

 

4月までにアフガニスタンで死亡した米軍関係者:2,448人

 

米国が契約した人たち:3,846人

 

アフガニスタン政府軍と警察:6万6,000人

 

他のNATO加盟国を含む、その他の同盟国の軍人:1,144人

 

アフガニスタンの民間人:4万7,245人

 

タリバンやその他の反政府勢力の戦闘員:5万1,191人

 

支援機関の関係者(故中村哲医師も?):444人

 

ジャーナリスト:72人

 

 

2、米国とカルザイ、ガニー支配、約20年が過ぎて

 

米国やアフガニスタンなどの連合軍が、女性や少女を家庭内に閉じ込めることを求めていたタリバン政権を打倒してからの、乳児死亡率の低下率:約50%

 

現在のアフガニスタンの10代の少女が文字を読めるようになった割合:37%

 

2001年にアフガニスタンに潜伏していたアルカイダの指導者が計画した同時多発テロ以降に生まれた米国人の割合:およそ4人に1人の割合

 

 

3、議会の監視

 

2001年9月11日に発生した同時多発テロの犯人を追うことを議会が承認した日:2001年9月18日

 

米国議員がアフガニスタンへの宣戦布告に賛成した回数:0回

 

上院歳出委員会の国防小委員会で、ベトナム戦争の費用を取り上げた回数:42回

 

2021年夏の半ばまでに、同じ小委員会の議員がアフガニスタン戦争とイラク戦争のコストに言及した回数:5回

 

上院財政委員会の議員が、2001年9月11日以降、2021年夏の半ばまでのアフガニスタンとイラクの戦争のコストについて言及した回数:1回

 

 

4、戦争費用

 

2020年時点で米国が負債で賄ったアフガン・イラク戦争の直接費用の推定額:2兆ドル

 

2050年までの推定金利コスト:最大で6.5兆ドル

 

ハーバード大学の研究者ビルムズ氏が試算する、米国がアフガニスタンとイラクの退役軍人約400万人に支払いを約束している医療費、障害者手当、埋葬費などの金額:2兆ドル以上

 

これらの費用がピークに達する時期:2048年以降

 

参照:War in Afghanistan by the numbers

 

 

これで見ると、ベトナム戦争と比べ、アフガニスタン戦争がいかに議会の監視から逃れていた戦争だったかが分かる。そして、一度もタリバンを追い詰めることができずに、米軍が撤退を決めたとたんに傀儡政府軍は降伏した。

 

米軍の司令官の発言として、もっと時間があれば勝てたと述べたものを目にしたが、米国にとっての「勝利」とはどういったものなのだろう? トランプ前大統領が述べた、「資金回収」だろうか?

 

私は、「ずっと前に終わらせるべきだった戦争を終結させた」と述べたバイデン大統領に、全面的に賛同する。

 

多くの人命が奪われ、国土が破壊され、国民の多くが飢餓に直面することになったアフガニスタンにとっては言うに及ばず、米国にとっても犠牲が甚大で、現在につながる多くの問題を産んだ戦争だった。

 

 

国連は極度の貧国により、今では9割り以上の人々が飢餓に直面しているという人道上の理由から、米国に保管されている100億ドルを超えるアフガニスタン中央銀行の資産を、監視付きでタリバンに使わせるべきだとしている。

 

人道上の問題だけではない。米国が養っていた最大30万人だと言われた政府軍も飢えている。これがどれだけ危険なことかは想像できると言うものだ。彼らがタリバンと対立しているISなどのテロリスト集団に合流することは、世界にとっても大きなリスクなのだ。

 

世界はタリバンを承認し、タリバンにアフガニスタンを任せる覚悟が必要だ。

 

「アフガニスタンにおけるこの決断は、アフガニスタンだけには限らない。他国を作り変えるための大規模な軍事行動の時代に終止符を打つことを意味する」。

 

バイデン大統領の言葉を信じたい。

 

 

ちなみに、2015年のところで「2、先進国の所得格差の拡大」を、欧米だけでなく、日本や中国でも顕著になってきている政治経済の問題で、一朝一夕で解決する問題だとは思えないとしたが、その答えを見つけたように思っている。

 

先進国の所得格差の拡大は、20世紀後半からの税制にあると見ている。ニューノーマルを言われるようになったディスインフレ環境もその影響だ。

 

特に日本は、高負担の社会保険料に消費税が加わったことが、中産層以下を追い詰めることになった。税制さえ変えれば、所得格差は縮小に向かい、経済成長を取り戻せると考えている。詳しくは以下をお読み頂きたい。

 


・新著案内:日本が幸せになれるシステム(著者:矢口 新、Kindle Edition:\500)
65のグラフデータで学ぶ、年金・医療制度の守り方

・New Book Guide:What has made Japan’s economy stagnant for more than 30 years?:
How to protect the pension and medical care systems (Arata Yaguchi: Kindle Edition \875)



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