・アフガニスタン情勢、その後 | 矢口新

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☆アフガニスタン情勢、その後

先週、職業柄、長年にわたって世界の地政学的リスクを我がことのように見てきた者の私見だとして、カブール陥落について述べた。

参照:アフガニスタンとドル円


私の見方は、タリバンを悪とする大方のメディアの報道とはズレがあるのだが、軍事ジャーナリスト、田岡俊次氏の見方には近い。

参照:タリバン「最速の無血入城」は米軍植民地統治の当然の帰結


その後のアフガニスタン情勢で、私が気になったものを以下に引用する。


(以下に引用、URLまで)
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物価の高騰と銀行の閉鎖が、カブールの悲惨に追い打ち。タリバンによる電撃的なカブール掌握から1週間が経ち、アフガニスタンの首都では仕事を失い、銀行のシャッターが降り、食料価格が高騰するなかで、毎日を何とか生き抜くための困難に直面する人々が増えている。

「どうしていいか分からない。自分の安全、生存、あるいは子供たちや家族を養うために、何を最初に考えるべきなのかが分からない」と、妻と4人の子供たちを養っていた260ドルの月収の失い、今は身を隠している元警官が述べた。
参照:Rising prices, shuttered banks add to misery for Kabul 

関連:タリバンがかつての敵と話し合いをすすめる中、アフガニスタン北部で衝突
Clashes Erupt in Northern Afghanistan as Taliban Pursue Talks With Former Foes


カブール陥落時点で、国連世界食糧計画によれば、人口4000万人弱の3分の1を超える1400万人が深刻な飢餓に直面しているということだった。そこに、米軍や前政権の協力者たちが失業したので、その数はもっと増えていると見込まれる。

また、最大で30万人(上記、田岡俊次氏によれば給与水増し後の数値)と言われる元政府軍の処遇を間違えれば、北部同盟に加わったり、テロリストになったりしかねない。もともと米軍の「傭兵」のようなものだったのだから。


(以下に引用、URLまで)
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世界銀行、アフガニスタンへの支援金支払いを凍結。世界銀行は火曜日に、アフガニスタンへの支援金支払いを停止したと述べた。タリバンが同国をどう統治するかを見極めるためだ。

世界銀行の報道官は、同国際開発機関はアフガニスタンの状況、特に新政権の同国の女性に対するインパクトを「深く懸念している」と述べた。世界銀行はタリバン指導部がどのように政権移行を進めるかを監視し、国際社会と協議していく計画だ。

世界銀行は2002年以降、アフガニスタンの開発プロジェクトに53億ドル以上を拠出しており、同行が管理するアフガニスタン復興信託基金に130億ドル近くを調達した。同行は2021年にアフガニスタンに8億ドル近くを支払うと確約していた。
参照:The World Bank is freezing aid disbursements to Afghanistan

関連:EU、アフガニスタンへの人道支援金を4倍増
EU to quadruple humanitarian aid to Afghanistan 


世界銀行は「新政権の同国の女性に対するインパクトを深く懸念している」と、タリバンに経済制裁し、圧力をかけるとした。

一方で、EUは人道支援を優先した。また、アフガニスタンが不安定になると、難民やテロリストの流入が懸念されるとした。

国際機関は責任の所在があいまいだ。非現実な理念(それにしても、飢餓やテロ懸念より女性へのインパクトとは?)で現実が悪化しても、脅かされる土台がない。その点、EUはマルチ国家機関であってもはっきりとEUの利害を代表していると言える。


(以下に引用、URLまで)
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米財務省。アフガニスタンでの人道支援活動にOK。タリバンへの制裁回避。米国財務省は人道支援団体に対して、アフガニスタンへの支援にゴーサインを出した。これでタリバンに対する反テロリズム経済制裁が、高まる経済危機を食い止めるために同国が必要とする食糧や他の供給支援を妨げるのではないかとの懸念が緩和されると、消息筋が述べた。

財務省の同意は、今週の民間との話し合いから来たもので、人道支援活動やそれに関連した金融取引を扱っても罰されることがない保証を求める支援団体や銀行の圧力に応えたものだ。
参照:Humanitarian Efforts in Afghanistan Get OK From Treasury, Bypassing Sanctions on Taliban

関連:カブール空港で自爆攻撃。米兵12人、少なくともアフガン90人が死亡
Kabul Airport Attack Kills 12 U.S. Service Members, at Least 90 Afghans


上記の世界銀行や、SDRの引き出しを禁じたIMFは、米国に配慮したのかも知れないが、米財務省の方が現実に即した政策を行った。

飢餓はそれ自体が悲惨で、一刻を争うだけでなく、テロリストの温床にもなりかねない。また、十分に武装解除できたとは思えない元政府軍の処遇を間違えれば、テロ組織であるISが最も恩恵を受ける。アフガニスタンを実効支配しているタリバンを政府として承認し支援することは、人道的なだけでなく、世界の利益に繋がるのだ。

また、バイデン政権はカブール空港で起きた自爆攻撃を受けて、ISの拠点を空爆、タリバンの宿敵を叩くことになった。


上記、「タリバン『最速の無血入城』は米軍植民地統治の当然の帰結から」の内容で、余談となるが、投資運用の専門家の立場から気になる点だけを解説しておく。

「米国は昨年末で1460兆円という途方もない対外純債務を抱える最大の債務国(日本は純債権が356兆円で最大の債権国)だが、米国の金融機関は他国から預かった資金を運用して世界の金融を牛耳る力を持ち続けている。」


ここで、「日本は純債権が356兆円で最大の債権国」というのは必ずしも日本の強さを意味しない。国内に運用先がないため、海外資産を購入している部分が大きいからだ。

そうした日本経済が抱える問題点については是非、拙著をお読みいただきたい。


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