・新型コロナウイルス・パンデミックの復習 | 矢口新

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☆新型コロナウイルス・パンデミックの復習

先日、私のメルマガの読者の方から、以下のようなご質問を頂いた。
参照:殿堂入りメールマガジン:「相場はあなたの夢をかなえる」
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「以前から共感してメルマガ等を拝読させて頂いてます。その中で、以前、件名についてリーダーシップの在り方として、スウェーデンのコロナ対策を題材に挙げられていたと記憶してます。コロナ感染で命を落とすも経済的疲弊により命を落とすも、同じ命だと記載されていたと思います。しかしながら、スウェーデンでの集団免疫獲得は失敗との評価が多い中、リーダーシップとしての方向性を示したことは評価されますが、政策の失敗を含めて矢口様は、どの様に今はお考えでしょうか?」


そのご質問に対しては私自身振り返る必要を感じているので、メルマガ等でお答えしたいとした。件のコメントは以下のものと思われるので、参照のブログをご覧頂きたい。

参照:日本にも医療崩壊が来る?(2020/7/13)

参照:短距離走とマラソン(2020/5/7)


私の疫病に対する見方は、メルマガなどで何度も紹介させて頂いている「疫病と世界史:ウィリアム・H・マクニール」がベースとなっている。同書では生きるということは他者を食うこと、すなわち寄生だとし、マクロ寄生の頂点には人類が、ミクロ寄生の頂点にはウイルスなど疫病が君臨し、両者は有史以来、永遠と戦いを繰り広げているというものだ。

また、ワクチンの発明によりいったんは人類が勝利したと思われているが、20世紀の終盤にかけてからは、疫病の巻き返しが見られているので要注意だとしていた。同書はこれまで私がどうしても理解できなかったモンゴルの中欧近くまでの侵攻や、スペインの中南米支配の謎なども解き明かしてくれた。私の一押しの推薦書だ。

こうしたベースがあったために、私はCovid-19と名付けられた新型コロナウイルスの出現そのものには、何の驚きもなかった。スウェーデンが採った対策も、そうした見方に沿ったものだと思われる。つまり、Covid-19との戦いは、インフルエンザなども含む、永遠と続いている人類と疫病との、新たな局面にしか過ぎなかったのだ。

もっとも、スウェーデンが予測していたような自然免疫の獲得がなかなか進まず、変種株の多さも、Covid-19が思ったよりも強敵だったことを示している。

例えば3月12日、ブラジルで新たな変異ウイルスが見つかったことが明らかになった。すでに確認されている「ブラジル型」の変異ウイルスとは違う起源を持っており、ブラジル各地に広がっているという。

Covid-19は思ったよりも難敵だったことは疑いがない。このことは本来ならば、更なる長期戦を覚悟しなければならないのではないか?


私のこうした認識ベースからの驚きは、中国政府が武漢で先導したロックダウン(都市封鎖)だ。何故なら、ロックダウンや緊急事態宣言による日常生活の否定は、長期的に続けられるものではないからだ。ロックダウンに似た先例はある。鶏や豚、あるいはミンクなどへの疫病対策だ。ウイルスをキャリアと共に死滅させれば、ロックダウンの域外には拡がりにくくなることは疑いがない。私自身Covid-19が来るまで当たり前のことだと思っていたのだが、人類は他の生き物に対して、随分残酷なことをしてきたわけだ。仕方がないとしても。

また3月12日、イタリア政府は感染拡大防止のため規制を強化する計画を閣議決定した。15日から過半の地域にロックダウンを再導入する。感染力の強い英国型の変異ウイルスが猛威を振るい、終日外出禁止など厳しい措置が不可欠と判断した。

こうしたロックダウンや緊急事態宣言による移動制限には大きな問題点がある。実際に世界の各所で見られたように、域外を救うために、域内を犠牲にする可能性があることだ。もっとも、鶏や豚のように殺されることはない。しかし、域内で医者にかかれず死亡した例も多く見られた。そのためか、政策の厳しさと国全体の被害削減効果とは必ずしも一致していないようだ。日本でも殺されないまでも、生きる糧を奪われた人たちは数多くいる。

また、その本質として長期的に続けられるものではないため、各地で中断しては再開され、徐々に住民が疲弊していくことだ。これでは疫病の術中にはまったことを意味しないか?

もう1つの問題点は、経済的なものだ。各国ともに政府支援を行っているが、そのために財政赤字や公的債務が膨れ上がっている。国は通貨を自由に発行してよいという見方があるが、先進国の一部にしか通用しない詭弁だ。通貨の価値を支えているのは、結局は国全体の信用力だ。例えば、世界最悪の日本の累積赤字、公的債務残高を支えているのは、日本の民間資産だ。これは別の機会に詳述する。


多くの専門家は、日常生活に戻るためには、自然感染あるいはワクチン接種による免疫の獲得を待つ必要があるとしている。つまり、疫病に対する短期的な勝利は望めないということだ。とはいえ、専門家の立場としてはロックダウンのような、専門外の犠牲を顧みない目先的に最も効果的な対策を提言することもあるだろう。そこで総合的な判断は首長に委ねられることになる。

数多くの国々がワクチンを自国で生産しているが、日本は輸入に頼ることになる。ワクチン外交が世界的に重要視されているが、日本の立場は弱い。

先日、ニューヨーク在住の人とズームで話したが、たまたま翌日にワクチン接種の1回目の予約(2回目は2週間後)が入っているとのことで、かなりテンションが高かった。1年間の長いトンネルから抜けたような感覚だとのことだ。ここから米国経済は良くなる。半年後には欧州も良くなる。1年後には日本も良くなるだろうとのことだった。確かに、日本にワクチンが行き渡るには1年ぐらいかかるかも知れない。

世界でワクチン接種率の高い国は、1位イスラエル、2位UAE、3位英国、4位はチリ、5位バーレーンとなっている。(3月12日現在)
参照:ロイター、人口当たりのワクチン投与が多い国


以下のページではそれらの国々を含む、世界の総感染者数、新規感染者数、総死亡者数、新規死亡者数、総回復者数、入院者数、重症者数、百万人当たりの感染者数、百万人当たりの死亡者数、検査総数、百万人当たりの検査数、人口といった項目が、多い順、少ない順にソートできるようになっている。
参照:新型コロナウイルス・パンデミック

参照:イスラエルの感染状況
参照:UAEの感染状況
参照:英国の感染状況
参照:チリの感染状況
参照:バーレーンの感染状況


もっとも、これらの国々のデータを見ていると、感染者数が顕著に改善しているとは必ずしも言えなさそうだ。例えば、チリなどは最近も増え続けている。

一方6位の米国は、ワクチン接種の増加と共に、新規感染者の数が顕著に減っている。とはいえ、州別接種率上位のニューメキシコ州やコネチカット州と、下位のジョージア州やワシントンDCの新規感染者数の推移に大きな変化が見られないように思える。
参照:米国の感染状況


これらが暗示しているのは、本当にワクチンが決め手となるのかと言うことだ。

ちなみにスウェーデンのものは以下のページの、右上から1日当たりの感染者数、1日当たりの新規集中治療者数、1日当たりの死者数となっている。
参照:スウェーデンの感染状況


スウェーデンは当初からコロナ対策をマラソンに例え、緩やかな規制で自然免疫の獲得を目指したが、結果的に失敗だったと言えるかもしれない。事業活動を制限しなかった経済も、周辺国のほとんど全てがロックダウンしたために、事実上の経済封鎖となり落ち込んだ。

とはいえ、コロナとの戦いが長期戦だったことは既に証明済みなので、他国の政策が示していたように短期で終わるだけの疫病だったとすれば、スウェーデンの慧眼が注目を浴びていたかも知れない。ここでも「疫病と世界史:ウィリアム・H・マクニール」の教訓を活かし切れなかったのかも知れない。

日本のものは、日経新聞のものが分かりやすい。
参照:チャートで見る日本の感染状況 新型コロナウイルス


日本の対策で気になるのは政策担当者たちが使う「気の緩み」という言葉だ。営業自粛は、業態によっては命懸けで行っている。日常生活の自粛も相当に浸透している。だからこそ、ワクチンもないのに、比較的犠牲者が少ないのではないのか? コロナやコロナ対策の理不尽さに耐えながら、それでも「気の緩み」だと思われるほど、元気で明るいとすれば、日本はいい国ではないか?

とはいえ、ワクチンなしでは日常生活には戻れない。ワクチン・パスポートが現実化すれば、ワクチン接種なしには海外に行けなくなる。そのワクチンを準備するのは政策担当者だ。ここに「気の緩み」があったのではないか。

とはいえ、私はここにも財政赤字や膨大な公的債務が影響していると見ている。何が大事なのかが分からなくなる「貧すれば鈍する」ということだ。

ちなみに以下のものは、推奨マスクの付け方をまとめた図解だ。
図01:マスクについての知見


人類と疫病とは、これからも戦いながら共存していくしかない。気の遠くなるような長期戦だということを認識しながら、しっかりと生き抜いて行きたい。



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