・2019年の円と日本株見通し | 矢口新

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☆明けましておめでとうございます。

年末年始の「荒れた相場」を理解する一助として、少しばかり構造的な話題にお付き合いして頂きたい。


・縦糸と横糸

景気は「気」だという見方がある。代表的なのが黒田日銀総裁で、「インフレ率が低いのはデフレマインドのせい。日銀の政策はデフレマインドの払拭にあったが、笛吹けど国民踊らず、十分な消費行動が見られないので、インフレ目標の達成は諦めた」とするものだ。

一方、構造的に見ると、消費行動の盛り上がり不足は「所得増が十分でなく、年金を含む社会保障に不安があり、余暇も少なく、増税が予定されているので、使いたくても使えない」となる。つまり、先立つものが必要だと言うことだ。

では、景気は「気」だとして、先立つものもないのに消費すればどうなるか? 借金が膨らみ、将来は返済に追われることになる。このことは、将来的には誰かが無制限に資金を貸してくれない限り、消費ができなくなることを意味する。つまり、黒田日銀の狙いは消費の先食いだけで、「後のことは知らない」とするものだ。もっとも、先食い消費が景気を拡大させ、その結果としての所得増が優に将来の返済額を上回れば「気」も悪くないと言えるが、そこまでのリスクは国民自身が被ることになる。やはり、「後のことは知らない」という無責任政策だ。

一方、構造的な見方に対しては、「金持ちでも使っていない」と反論することができる。しかし、どんな金持ちでも身体は1つしかないので、1%の金持ちが買える車の台数、食事の量、衣類などの量、泊まるホテルの客室数などは、たかが知れている。それ程、景気には貢献できないのだ。

その意味では、経済に関すると、マインドよりも構造的なものに分があると言える。相場では、これが実需となり、トレンドに影響を与える。


この2つの見方を、相場のチャート上に記すと、縦糸がマインド、横糸が構造的なものとなる。

横糸は実需の事情を反映するので、広い意味のファンダメンタルズ分析が活用できる。例えば、年金の行動は大きく事情に左右されるので、その事情さえ学べば、概ね何をするかが分かるようになる。簡単に言えば、株価が下がれば買えるようなり、上がれば売ることが選択肢になる。また、日銀は緩和政策が続く限り買い続ける。こうした見方には「外れがない」ので、こうした横糸を学ぶだけで、相場観を見失うことがなくなる。

一方の縦糸は意欲を反映し、投機筋の強欲、不安や恐怖をそのまま株価に反映させる。いわゆる「材料に反応」するのが縦糸だ。これは上下に大きく振れるので、ボラティリティに関与する。余りに大きく動くと、構造的なファンダメンタルズまで変えてしまうことがあるが、その頻度は高くない。また、それには条件も必要だ。

例えば、この年末年始に株価がどこまで下げても、日銀が買い止めるようになることはない。年金は下げれば下げる程、多くを買えるようになる。こうした構造的なものは変わらないのだ。もっとも、両者ともに年末年始は基本的に「不在」なので、大動きを止めることはできなかった。また、そうした買いはゆっくりと、1カ月やそれ以上を通して出てくるもので、一時の勢いを止めることは難しい。急反発があるとすれば、そうしたことを材料にした投機筋の「買い戻し」が入るためだ。

そして、マインドを反映する投機筋にも「事情」があるので、それを学べば、縦糸の理解も深まる。これは一般的な投資の本に書いている訳ではないので、当事者だった私が皆様にお伝えする。


相場は人がそれぞれの事情や意欲を持ち寄って集まるところ。いわば、世間であり、人生そのものの縮図だとも言える。相場を学ぶことで、多くのことが学べるのだ。タペストリー・プライスアクション(TPA)理論とは、そうしたことをより詳しく述べたものだ。

一方、テクニカル分析は現状認識を通じて、売買のタイミングを教えてくれる。年初の安値が年末の安値を下回らなければ、ダブルボトムで買えるようになる。下回れば、底値探しが続く。とはいえ下回ったところで、日銀や年金が買い止めることはなく、それどころか、より活発に買い続ける。そうしたことが分かれば、テクニカル指標にも振り回されることが少なくなる。

年末年始の「荒れた相場」を理解する一助となっただろうか? 年末年始は基本的に横糸不在。縦糸の投機筋が好きなように操ることができるのだ。個人投資家には分が悪いので、私はサイドラインにいることをお勧めしている。


・2019年の円と日本株見通し

16000字を超える読みごたえのあるものなので、以下のページから。
参照:今年の「10大リスク要因」から円・日本株の動向を読む
 

 

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目次:

序章:短期トレードは頭のスポーツ
1.短期トレードの魅力
2.短期トレードの注意点
3.市場は寄り付き、指標発表前後、引け間際によく動く
4.短期トレードのメリット
5.自分にできることにチャレンジする
6.できると分かれば、できる
7.繰り返しをいとわない
8.相場はギャンブルではない
9.職人技の修業


第1章:どのようにして収益を上げるのか?
第1節.山越えを待って売り、谷越えを待って買う
第2節.TPA理論
第3節.短期トレードはチャンスが多い
第4節.週足、日足、時間足、分足の順にチェックする
コラム、片サイドトレードと両サイドトレード(ドテン売買)の優位性は?
コラム、保合い相場への対応は?


第2章:転換点(山越え&谷越え)の見極めに使える「道具」は何か
第1節.テクニカル分析とファンダメンタルズ分析
第2節.使えるテクニカルと使えないテクニカル
第3節.ローソク足について知る
第4節.酒田五法について
第5節.トレンドライン(各種ライン)について
  1)トレンドラインとは
  2)パラレルラインについて
  3)ライジングウェッジについて
  4)フォーリングウェッジについて
  5)三角保合いについて
  6)ラインの性質について
  7)トレンドラインの基本形について
  8)トレンドラインの評価
第6節.チャートパターンについて
    1)概要
  2)評価
第7節.移動平均線について
  1)概要
  2)移動平均線の引き方
  3)評価
第8節.移動平均線の派生テクニカル
    1)エンベロープ(概要と評価)
  2)移動平均乖離率(概要と評価)
    3)加重移動平均線(概要と評価)
    4)指数平滑移動平均線(概要と評価)
第9節.MACD
    1)概要
  2)評価
第10節.オシレーター
    1)概要
  2)評価
第11節.RSIについて
    1)概要
  2)評価
第12節.ストキャスティクスについて
    1)概要
  2)評価
第13節.ボリンジャーバンドについて
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  2)評価
第14節.パラボリックについて
    1)概要
  2)評価
第15節.一目均衡表について
    1)概要
  2)評価
コラム、移動平均線の使い方
コラム、ローソク足は終値を待つべき?
コラム、順張りと逆張りのどちらがいい?


第3章:転換点の見極めに役立つテクニカル
第1節.転換点の見極めに役立つ道具とは
  1)酒田五法
  2)ボリンジャーバンド
  3)移動平均線
  4)トレンドライン、チャートパターン、酒田五法
第2節.移動平均線を使えば、誰にでも「転換点」が見極められる
  1)移動平均線はシンプルなテクニカル指標
  2)暴騰、暴落時には大儲けできる可能性が高い
第3節.最終的に、シンプルに考える~KISSアプローチ~
コラム、なんぴん買いをしてもいい?
コラム、ピラミッディング(買い乗せ、売り乗せ)はどうする?
コラム、移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスについて(最適化の罠)


第4章:出口戦略について
第1節.損切りと損切りオーダーの違い
第2節.損小利大について
第3節.トレイリング・ストップ
コラム、利益確定ラインもエントリー前に決めるべきか?
コラム、両建ては使っていい手法?


第5章:素のチャートで転換点を探ることが、最も効率の良いやり方
第1節.テクニカル指標は自転車の補助輪に過ぎない
第2節.頼るべきは素のチャート
第3節.素のチャートでエントリーとエグジットを考える
コラム、エントリーに遅れたときは?


第6章:まとめ(自分にあったリスク管理)
第1節.繰り返せば上達する相場へのアプローチ
第2節.自分の適正ポジションを知る
第3節.収益拡大のコツ
第4節.右端での対処(値動きに反応する)

特別コラム、貸出・手数料ビジネスの利益、過半数の地域銀行(地銀)でマイナス
コラム、トレーダーに必要な資質とは?
あとがき

他の書籍は以下のページから:
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相場はあなたの夢をかなえる ー有料版ー


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