【NY原油は下値切り上げか】 | 陳晁熙

【NY原油は下値切り上げか】
週明け22日以降のNY原油は堅調。債務上限問題や利上げ見通しが重石となっているが、国際エネルギー機関(IEA)が先週公表した報告書で、今年後半の石油需要は供給を日量200万バレル上回ると予測したことが強材料。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」による自主的な減産が、今月実施されたことの影響も出ているという。

「OPECプラス」のうちサウジアラビアなどは4月、原油生産量を自主削減することを表明。今月から自主減産が実施されている。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は、カタールで開かれた経済フォーラムで、原油の投機筋が「4月には痛い目に遭った」と指摘。その上で同筋に対し「気を付けるように」と警告した。これを受け、OPECプラスが来週4日に控える会合で追加減産が踏み切られる可能性があるとの懸念が浮上した。

米エネルギー情報局(EIA)が公表した週報(19日までの1週間)によると、原油在庫は前週比1250万バレル減と、市場予想(80万バレル増)に反する大幅な取り崩し。ガソリン在庫は210万バレル減と、減少幅は予想(110万バレル減)を上回った。需給逼迫懸念が増幅。

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目先は、カナダ・アルバータ州の山火事が降雨で鎮火に向かっており、日量約30万バレルの米国向け輸出が再開する見通しのため、75ドルを越えると利益確定売りが強まりそうだ。ただ、 「OPECプラス」による減産の可能性や米メモリアルデー(戦没者追悼の日、29日)から夏場の旅行シーズンに伴う燃料需要の拡大期待から、需給は引き締まっていく可能性が高く、押し目は買われるだろう。原油相場は下値を切り上げる展開となりそうだ。NY原油(7月限)は68~78ドルのレンジを想定する。

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