【プラチナは1000~1100ドルのレンジを予想】
*英精錬大手ジョンソン・マッセイ(JM)が15日に発表したリポートによると、2023年の世界の白金需給見通しは4.1トンの供給不足という。22年は23.1トンの供給過剰で、3年ぶりの供給不足を見込んだ。供給は227.8トンと前年から5%増える見込み。総需要は231.9トンと、前年に比べ19%増える見通し。需要の4割を占める自動車向けは95.3トンと前年比11%増える。
英国際調査機関ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)も同日、市場見通しのリポートを発表。23年の白金需給は98.3万トロイオンス(およそ30.6トン)の供給不足になるとした。前回の見通し(約18トン)から不足幅が拡大した。鉱山生産の平均生産量を6%ほど引き下げた一方、自動車向けの需要が伸びると見込んだ。脱炭素の流れを受け、グリーン水素の精製装置向けなどの新たな需要が期待された。
NYプラチナ(7月限)は、4月と5月に1100ドルを超えたものの、その後は1060ドル前後でもちあいとなっている。供給不足という強材料はあるものの、米国の債務上限問題の解決が滞っている中、リスク資産への投資が様子見となっているようだ。
また、強い米経済指標を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする可能性が高まっており、ドル高を受けてドル建て貴金属への投資が躊躇されている面もあろう。
そのため、需給の引き締まり観測をサポートに1000ドルは維持されるものの、1200ドルを目指すには、まだ環境が整っていないようだ。NYプラチナは1000~1100ドルのレンジで保ち合いが続きそうだ。
情報提供:株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド
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