【ドル円今週の予想(2月22日)】 | 陳晁熙

【ドル円今週の予想(2月22日)】
*予想レンジ:103.50~106.50円。
*今週のドル円はもち合いで推移しそうだ。今週は、重要なイベントや経済指標があまりない中で、105円台で「レンジ相場」となりそうだ。基本的には日米株価の動向や米長期金利の動向に左右されそうだ。先週前半は、米国の追加経済対策による景気回復期待を受け、米長期金利が約1年ぶりに1.3%台に乗せたことを受けてドルが買われ、17日ドル円は昨年10月上旬以来、約4カ月ぶりに106円台を付けた。

ただ、106円20銭を上抜くことができず利益確定売りが出て、週後半には105円台に押し戻された。米国の長期金利は週末に1.36%台に上昇したが、金利高が嫌気されて株高が一服したことで、ドル円の上値も重くなったようだ。23、24日にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は米議会で証言する。

先だっては、FRBがテーパリング(資産購入規模の段階的縮小)に動くことはないと発言し、現在の金融緩和政策を継続すると改めて述べた。バイデン政権の新型コロナウイルス救済法案への期待感から米10年債利回りが1.3%台まで上昇しているが、特に問題視はしないだろう。

ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁は19日、最近の長期金利上昇について、バイデン政権による大型経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待を反映したものとの認識を示した。1兆9000億ドル規模の大型経済対策をめぐっては、サマーズ元財務長官ら一部の専門家から規模が過大であり、インフレが加速するとのリスクを指摘する声が出ているが、ウィリアムズ総裁は、米景気は依然として停滞しており、最大雇用の実現や2%のインフレ目標達成までには長い時間がかかるとの認識を示した。

国際通貨基金(IMF)のゴピナート主任エコノミストも19日、新型コロナウイルス危機を受けたバイデン米政権の大型経済対策が成立してもインフレは加速しないと述べ、一部の専門家が提起した懸念を一蹴した。同氏は、過去40年にわたる低調なインフレ傾向を考慮すれば、米政権の巨額財政出動により、インフレ率が米連邦準備制度理事会(FRB)の物価安定目標である2%を「持続的に大きく超える公算は小さい」と明言し、「米国内総生産(GDP)の9%に相当するコロナ対策により、今後3年にGDPが計5~6%押し上げられる」と分析。「2022年のインフレ率は2.25%程度にとどまり、まったく心配ない」と言い切った。

26日は、米上院で新型コロナウイルス救済法案の採決が予定されており、財政調整措置により単独過半数で成立することが予想されている。しかし、今回の経済対策が財政赤字を今後10年間で540億ドル拡大させるとの見通しを議会予算局が示しており、共和党の反対姿勢もあり、審議が難航することも警戒される。

ドル円が4カ月ぶりに106円台へ乗せた背景には、米長期金利が1年ぶりの高水準まで上昇したことによって日米金利差拡大が意識された面が大きいだろう。米長期金利の上昇基調が維持される可能性が高いことから、ドル買い・円売りは継続する可能性が高い。日米の長期金利の差は先週末には1.25%に拡大している。原油価格の急激な上昇もドル買いを促した面もある。急激なドルの上昇により、輸入勢がドルを買い遅れていることもあり、実需面からもドルの下値はサポートされよう。

ワクチン普及による経済回復を見込んで、株式やコモディティ等のリスク資産に資金が流れていることもあり、安全資産である円は売られやすくなっている。さらに、日本が海外から約3億回分もの多量の新型コロナウイルスのワクチンを輸入するため、年間で数千億円規模の円売りが生じるとの見方も円売り要因なっている。ファイザー製とモデルナ製のワクチンは日本円に換算して2000円前後の価格になる可能性があり、仮に約3億回分とすると単純計算で3000億~4000億円規模に上る。日本国内でも変異種の感染が確認されているため、今後2~3年のスパンで見れば数兆円規模の円売りが出てくる可能性もあるという。日本の貿易黒字の縮小により中長期的な円安要因になる可能性がある。

2020年の貿易統計によると、コロナ禍で自動車などの輸出が大幅に落ち込んだため、貿易収支(輸出額-輸入額)はわずか6700億円ほどの黒字だった。輸入が膨らめば貿易黒字は圧迫され、円売り要因となろう。

*米連邦準備制度理事会(FRB)は17日、1月26、27日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表した。新型コロナウイルスの感染再拡大を受け「景気回復はほど遠い」と判断。全員が事実上のゼロ金利政策と量的緩和策の維持を支持したことが分かった。参加者は、感染再拡大で雇用改善の動きが鈍ったと指摘した。一方で、昨年末に成立した追加経済対策、ワクチン普及の効果を見込み、中期的な景気下振れリスクは後退したとの認識を示した。コロナ危機直後に物価が落ち込んだ反動で、今後はインフレ率が上昇する見通し。参加者の多くは「物価の一時的な動きと本質的な傾向の識別が重要」と語り、短期的に2%を超えても金融緩和を維持し、景気回復を支える方針で一致した。

*CFTC建玉:2月16日時点のファンドのドル売り・円買いポジションは、3万7182枚(前週比+2564枚)。

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