トルコリラ円、先週の動き・今週の予想 | 陳晁熙

【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は堅調に推移した。トルコ国会は2日、国家分裂状態のリビアのシラージュ暫定政権を支援するため軍の派遣を決めた政府提案の動議を賛成多数で承認した。リビアへの周辺国の関与が強まり「代理戦争」が激化する恐れが高まってきた。トルコリラの下落を受けて複数の国営銀行がドルを売ってリラを買い支えたようだ。

米国は2日、トランプ大統領の指示でイラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官を殺害した。これに対し、イランは6日、「軍事施設」への報復攻撃と、2015年の核合意で定められたウラン濃縮制限を順守しない方針を宣言した。両国の対立が軍事衝突に発展するとの懸念が強まったものの、8日には、トランプ大統領がイランに対する軍事力行使に否定的な考えを示し、イランも「緊張激化や戦争は望んでいない」と表明した。9日、米国とイランの対立を巡り中東情勢が悪化するとの懸念がやや後退し、トルコリラの下げも一服した。

*今週のトルコリラ円は、上値の重い展開になりそうだ。トルコの2019年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+0.9%と、4四半期ぶりにプラスへ転じた。物価の落ち着きに伴い、足元にかけて消費に底打ち感がみられた。今後、大幅利下げによる景気刺激効果が現れて、トルコ経済がプラス成長を維持できるかが注目される。他方、景気浮揚を図る政府が、中央銀行に対して利下げ要請を強め、金融政策の独立性が阻害される可能性は市場の懸念要因。また、ロシア製地対空ミサイルシステムを導入するトルコに対し、米議会が対トルコ制裁法案の成立に向けた動きを活発化するリスクにも注意が必要。

トルコ中央銀行は、インフレ減速を受け昨年年7月25日の金融政策委員会で政策金利を24.00%から4.25%ポイント引き下げた。さらに9月12日の会合で3.25%ポイント、10月24日の会合で2.50%ポイント、12月12日の会合で2.00%ポイントと、4会合連続で市場予想を上回る利下げを決定し、政策金利を12.00%へ引き下げた。エルドアン大統領が「政策金利を1桁台へ引き下げるのが望ましい」と繰り返し発言し、政治的圧力がかかる一方で、インフレ率は2019年末に加速すると予想され、政策金利からインフレ率を差し引いた実質金利は低下が見込まれている。2019年12月物価上昇率(CPI)は、前年比11.84%上昇となった。市場予想は11.56%上昇だった。

実質金利(名目金利-インフレ率)が大幅に低下する中、追加的な大幅利下げは困難になりそうだ。しかし16日のトルコ中銀会合では、0.25%の利下げ(12.00%→11.75%)が予想されている。昨年12月には、リビア情勢を巡って米国との関係悪化を背景にリラ売りが優勢となったが、複数の国営銀行が「ドル売り・リラ買い」介入を行った。利下げとなればリラ売りが強まる可能性が高いが、通貨介入で果たして支え切れるのかどうか。

【トルコ経済指標】
13日月曜日
16:00トルコ11月経常収支前回+15.5億USD、予想-4.5億USD
14日火曜日
16:00トルコ11月鉱工業生産前年比前回+3.8%、予想+5.5%
15日水曜日
16:00トルコ12月住宅販売前年比前回+54.4%
16日木曜日
20:00トルコ中銀政策金利前回12.00%、予想11.75%
17日金曜日
20:30トルコ11月住宅価格指数前年比前回+6.74%

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*予想レンジ:17.50円~18.50円
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