南アランド円相場、先週の動き・今週の予想 | 陳晁熙

【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は上昇した。11月20日の南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)理事会では、政策金利の据え置き(6.75%)が決定された。ハニャホSARB総裁は記者会見で、政策委員3人が金利据え置きに賛成した一方、2人が25ベーシスポイント(bp)の利下げを主張したことを明らかにした。インフレリスクが高まっているため、金利据え置きが予想されていた。市場は、インフレ期待が改善すれば来年1月には利下げの可能性が高まると予想している。国際通貨基金(IMF)は25日、南アフリカに関する審査(4条協議)終了を受け、同国が経済改革を迅速に進めない限り、失業率の悪化や格差の拡大など長引く景気低迷を招く恐れがあるという見解を示した。IMFは先月、同国の国内総生産(GDP)成長見通しを従来の1.2%から0.5%に引き下げたばかり。

この日の声明では迅速な改革を行わなければ来年の成長率も阻害されると警告した。「政府は来年2月に公表する2020年・21年度予算で財政や国有企業、債務安定の問題に関して明確な対応策を打ち出す必要がある」とした上、取り組みが見られない場合、「金融の安定性が損なわれ、国のリスクプレミアムも一段と上昇する」と述べた。10月の南アフリカCPI上昇率は前年同月比3.7%で、9月の4.1%から鈍化した。2011年2月以来の低い伸びだった。予想は3.9%だった。燃料価格の下落が主な背景。南ア経済研究所(BER)企業信頼感指数は、7-9月期は1999年以来の21まで落ち込んだものの、10-12月期には26まで回復した。

*今週の南アランド円は、保ち合いとなりそうだ。2日にABSA製造業PMI、3日に7-9月期GDP、5日に7-9月期経常収支が発表される。先週、南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は今年のGDP予想を引き下げている。7-9月期のGDPは弱まる可能性がある。南アフリカ財務省は、2019年の実質成長率が0.5%になるとの見通しを公表した。2月時点で予想した1.5%を下回り、経済の減速感の強まりが再確認された。主力輸出品のプラチナの価格低迷と、過剰な国営企業支援などが主因。歳入減にもつながり、19年度(19年4月~20年3月)の財政収支の赤字は国内総生産(GDP)比で10年ぶりの高水準に達する見込み。南アはアフリカ最大規模の工業国で一時は中国、ロシア、ブラジル、インドとともにBRICSと呼ばれ、成長する新興国の象徴とされた。

だが、00年代に高騰したプラチナをはじめとする鉱物資源の価格が低迷すると成長率も低下した。国営企業改革の不調が財政負担となり、成長の足かせになっている。事実上の救済に多額の国費を投入し、財政の自由度が限られ、成長に必要な分野へ十分な投資ができない事態に陥っている。破綻寸前の国営電力会社エスコムは破綻寸前と言われている。足元で4400億ランド(約3兆円)の負債を抱え、設備投資が遅れている。電力を安定して供給する能力も不足している。多額の負債を抱える国営企業はほかにもあり、国費での救済が財政負担の拡大につながっている。

南ア財務省によると18年度にGDP比で4.2%だった財政赤字は19年度は5.9%に達する見通しだ。20年度からの3年間の平均値は6.2%を見込む。政府債務のGDP比は19年度が61%で、22年度には71%に拡大する見込み。失業率も高止まりしている。10月末に発表された直近の失業率は29.1%。このうち15~24歳の若年層に限れば50%を超える。このため低賃金で働く外国人労働者が職を奪っているとの不満が自国民に高まり、外国人が経営する店舗が襲撃されている。南ア政府は財政再建を模索し、エスコムを分割したうえで電力業界への新規参入を促す競争促進策を発表した。ラマポーザ大統領の政権はこれを突破口に国営企業改革を進める方針だが、エスコムの労働組合が強く反対しており、改革は前途多難のようだ。


【南アフリカ経済指標】
2日月曜日
18:00南アフリカ11月製造業PMI前回48.1

3日火曜日
18:30南アフリカ第3四半期GDP前期比前回+3.1% 予想0.1%  
18:30南アフリカ第3四半期GDP前年比前回+0.9% 予想+0.4%

5日木曜日
18:00南アフリカ第3四半期経常収支前回-2040億ZAR  予想-1670億ZAR 
18:00南アフリカ第3四半期経常収支[対GDP比] 前回-4.0%  予想-3.0%
18:30南アフリカ11月SACCI景況感指数前回91.7

6日金曜日
15:00南アフリカ11月外貨準備高前回$54.53B 予想$54B

zar1203

*予想レンジ:7.25円~7.55円


情報提供:㈱ミンカブジインフォノイド
*チャートの著作権は、㈱ミンカブジインフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、㈱ミンカブジインフォノイドは一切の責任を負いません。

ブログ一覧に戻る