メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想 | 陳晁熙

【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は上値の重い展開だった。メキシコの2019年7~9月期実質国内総生産(GDP)の季節調整済み確定値は前期(4~6月期)比で横ばいにとどまった。速報値では0.1%の増加としており、下方修正となった。左派政権による経済政策の混乱や、米との通商関係の不安定化で投資が落ち込んでいることが反映された。過去の実績値も改訂され、18年10~12月期を起点に19年4~6月期まで3四半期連続で前期比マイナス0.1%となった。改訂で今年前半にはすでに、景気後退局面に入ったと見なされる2四半期連続でのマイナス成長を記録していたことが判明した。

市場予想では19年の成長率は前年比0.2%と、金融危機の影響でマイナスとなった09年以来の低水準になりそうだ。メキシコ政府は26日、総額8590億ペソ(約4兆8千億円)に上る民活型のインフラ投資計画を発表した。民間企業が資金を投じて、道路や港湾といった交通インフラを中心に整備を進める。経済成長率が3四半期連続で前期比マイナスとなる中で、民間投資を促して景気回復を進めたい考えだ。計画は2020~24年の5年間で合計147のプロジェクトを打ち出している。道路、港湾や空港などの交通インフラが7割以上を占める。特に初年度となる20年に全体の半数近い案件が集中しており、早期に計画実現による景気浮揚効果を狙いたい考え。

*今週のメキシコペソ円は、上値の重い展開が続きそうだ。メキシコで左派のロペスオブラドール政権が発足して12月1日で1年を迎えた。成長を支えた対外開放・民間重視の経済政策を否定し、大型プロジェクトを次々と中止した。方針変更を嫌気した民間企業は投資に慎重姿勢を強め、景気は後退局面だ。支持率には陰りも見え始めたが政権に危機感は薄く、成長回復への見通しは困難のようだ。メキシコ中央銀行は27日、四半期経済報告を発表し、2019年の経済成長率予想をー0.2~+0.2%に、2020年についても+0.8~+1.9%に、それぞれ下方修正した。同中銀は、メキシコ経済は年末時点で小幅なマイナス成長となっている可能性があるとしたが、現時点で景気後退(リセッション)入りしているわけではないとした。下方修正について、中銀は「最新の経済統計では、前回に予想した際と比べ、より広範囲で長い期間にわたって低迷が続くとみられ、また、第4四半期の成長見通しは自動車産業の成長鈍化による影響を受ける」としている。

ただ、2四半期連続のマイナス成長で景気後退入りという定義に従えば、メキシコは今年上半期に緩やかな景気後退に直面している。メキシコ中央銀行は28日公表した11月14日の政策決定会合の議事要旨で、経済活動が予想よりも弱く、インフレが従来想定よりも早く冷え込む恐れがあるとし、追加利下げの可能性を示した。メキシコ 中銀は11月の会合で政策金利を7.75%から7.50%に25ベーシスポイント(bp)引き下げた。利下げは3回連続。中銀は経済成長見通しがここ数カ月で悪化した可能性があるとの見方を示した。議事要旨によると、インフレ率が中銀目標の3.0%に低下しているほか、経済活動が停滞しており、マイナスの需給ギャップの拡大継続が予想されると指摘。世界中の中銀が金融政策を緩和しており、「これらの事象はより制限の少ない政策スタンスの採用を支持している」とした。また政策委員5人全員が軟調な経済活動を懸念。政策委員の1人は第4四半期のゼロ成長を予想した。さらに政策委員の大半がサービスなど第3次産業の年内低迷に関する懸念を表明した。

北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の批准に向けた米与野党の協議がヤマ場を迎えている。野党・民主党は労働や環境に関する条項で内容の見直しを求めており、政権はメキシコ、カナダと相談しながら修正案を詰めている。トランプ米大統領は公約実現へ年内の批准を目指しており、批准はメキシコ経済にとってはポジティブ要因になろう。

【メキシコ経済指標】
2日月曜日
21:00メキシコ景況感前回50 予想49.4
24:30メキシコ製造業PMI前回50.4  予想50.2

5日木曜日
21:00メキシコ消費者信頼感前回43.9  予想43.2

6日金曜日
21:00メキシコ自動車輸出(前年比)前回-19.5% 予想-13%
21:00メキシコ自動車生産(前年比)前回-16.4% 予想-18%

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*予想レンジ:5.5円~5.80円


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