ドル円相場、今週の予想 | 陳晁熙

【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は堅調に推移し、110円の節目にトライする展開になりそうだ。香港情勢や米中通商協議での米中対立の行方を懸念しつつも、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の金利引き下げ打ち止めを背景にドル買いが優勢となりそうだ。トランプ大統領は27日、中国が香港に高度の自治を保障する「一国二制度」を守っているかを米政府が毎年検証する「香港人権・民主主義法案」に署名した。中国がすぐに「対抗措置」を示唆したことから、NYダウが反落しドル円も109円半ばで頭打ちとなった。ただ中国も減速懸念が強まっていることから、中国の報復にも限界があり、米国が優勢な状況には変わりはないだろう。

今週は需要な経済指標が複数発表される。2日月曜日は11月米ISM製造業景況指数。予想は49.5。10月は48.3と節目の50を3カ月連続で下回ったが9月の47.8からは改善した。雇用指数は47.7、新規受注指数は49.1でいずれも9月実績を上回った。11月については改善が予想されている。4日水曜日には11月米非ISM製造業景況指数。予想は54.5。前回は54.7だった。5日木曜日は10月貿易収支。予想は-515億ドル。9月は-525億ドル。輸出は-0.9%の2060億ドル、輸入は-1.7%の2584億ドル。輸入額の減少が貿易赤字の縮小に寄与した。10月については中国からの輸入額減少が予想されているが、輸出も伸び悩んでいる。ただし、農産物やエネルギー資源の輸出はやや増加する可能性があるため、貿易収支は9月との比較で改善する(貿易赤字幅の縮小)可能性が高いとみられている。6日金曜日は11月米雇用統計。非農業部門就業者数は前月比+19万人(12.8万人)、失業率は3.6%(3.6%)、平均時給前年比は+3.0%(+3.0%)。カッコ内は前月。10月は非農業部門就業者数増加数が市場予想を上回ったが、11月も前月を上回りそうだ。

米国の経済指標は概ねまずまずの内容が見込まれている。一方、中国に関しても経済指標は改善が見込まれている。30日に発表された11月中国製造業購買担当者景況指数(PMI)は50.2となり、景気の拡大・縮小の節目である50を7カ月ぶりに上回った。前月(49.3)からは0.9ポイント上昇。市場予想は49.5だった。非製造業PMIは54.4で、前月から1.6ポイント上昇した。週明け2日に発表された財新・マークイットが発表した11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.8と前月の51.7から上昇し、2016年12月以来の高水準となった。堅調な生産や新規受注が上昇につながった。米中通商協議への懸念が相場を心理的に冷やしているものの、数字の上では大きな落ち込みはなく、米連邦準備制度理事会(FRB)が次週10、11日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決定する可能性は低いだろう。米金利の上昇が見込まれ、金利面からもドル円は押し下げられる可能性が高いだろう。

米中通商協議は12月中に進展するとの期待は残されているが、香港人権法案も絡んでこの問題に対して中国側が軟化することは期待できないことから、ドル買いは抑制される可能性もある。


<今週の主な経済指標>
2日は11月米ISM製造業景況指数、4日は11月米ADP雇用統計、5日は10月米貿易収支、6日は11月米雇用統計など。

*CFTC建玉11月19日時点:ファンドのドル買い・円売りは3万5031枚(前週比+34枚)と増加。総取組高は18万2445枚と前週比1035枚の減少。

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*予想レンジ:108.00円~111.00円


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