ドル円相場、今週の予想 | 陳晁熙

【ドル円相場、今週の予想】
今週のドル円は、上値の重い展開になりそうだ。先週発表された9月米ISM製造業景況指数は47.8と景気の拡大・縮小の節目とされる50を2カ月連続で割り込み、2009年6月以来10年3カ月ぶりの低水準となった。米中貿易摩擦が長期化する中で米製造業の業績に警戒感が示された。9月米ISM非製造業景況指数は52.6と、前月の56.4から大幅低下。市場予想の55.0も下回り、米経済の先行き懸念が一段と強まった。9月米雇用統計は、気動向を反映する非農業部門就業者数は前月比13万6000人増と、市場予想(14万5000人増)には届かなかったものの、7、8月分は上方修正された。失業率は3.5%と49年9カ月ぶりの水準に低下する一方、インフレ指標となる平均時給は前月比横ばい、前年同月比は2.9%と前回の3.2%より低下している。

市場は、予想ほどには悪くなかったと肯定的な評価だったが、決していい内容とはいえなかった。ISM指標同様に米景気の減速懸念を強める内容で、米連邦準備制度理事会(FRB)に利下げを促すとの見方からNYダウが反発したことがドルをサポートした。今後も経済指標の結果でFRBの金融政策を思惑する展開になろう。4日時点のCMEのFED WATCHによると、10月の米で利下げ(2.00%⇒1.75%)となる確率は83%にまで上昇している。

一方、今週は米中貿易協議が開催される。週明け7、8日は次官級、10、11日はムニューシン財務長官とライトハイザー通商代表部(USTR)代表と劉鶴・中国副首相らによる閣僚級協議が行われる。上海で開いた協議から2カ月経ち、トランプ政権が15日に2500億ドル(約27兆円)分の中国製品への制裁関税率を5%上乗せし、30%に引き上げる直前のタイミングでの開催となる。トランプ大統領は、中国との通商合意に向け「合意締結の可能性という観点では今が非常に重要な段階であり、合意に至れば、過去最大の通商合意になるだろう」と語った。

しかし、週明け7日早朝には中国は今週の米国との貿易協議を前に、通商合意の範囲を狭めつつあるとの報道が嫌気され、ドル円は106円50銭台に下落した。果たして市場が期待するような合意に達することができるのかどうか、結果を見るまでは不透明感が漂う。今週は8日にパウエルFRB議長が講演し、9日にFOMC議事要旨(9月17、18日開催分)が公表される。

いずれも、今後の利下げの可能性を強める内容であればドル円の売りが強まると予想される。10日には9月米消費者物価指数(CPI)が発表される。ほぼ前回並みの水準が予想されているため、利下げ観測を支援することになりそうだ。米下院司法委員会によるトランプ大統領のウクライナゲートに関する弾劾調査が開始されていることもドルの重石になろう。

<今週の主な経済指標>
7日は独製造業受注、中国外貨準備高、8日は本邦国際収支、中国財新PMI、独鉱工業生産指数、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長講演、9日は本邦工作機械受注、米求人件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月17-18日分)、IMF世界経済見通し(WEO)、10日は独貿易収支、独経常収支、英鉱工業生産指数、9月米CPI、石油輸出国機構(OPEC)月報、欧財務相理事会、11日は米輸入物価指数など


*CFTC建玉10月1日時点:ファンドのドル売り・円買いは1万3917枚(前週比-1134枚)と減少。総取組高は15万1860枚と前週比9834枚の増加。

yen1007

*予想レンジ:107.00円~109.00円

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