トルコリラ円、先週の動き・今週の予想 | 陳晁熙

【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は下落した。トルコのアルバイラク財務大臣によるトルコ経済計画を発表した。2020~2022年の経済目標では、1.インフレ目標が2020年8.5%、2021年6.0%、2022年 4.9%、2.失業率目標が2020年11.8%、2021年10.6%、2022年 9.8%、3.GDP目標が2019年0.5%、2020年5.0%、2021年5.0%、2022年5.0%。インフレ率が3年後に5%を割り込み、GDPは来年に5%になるというトルコ経済の状況を払拭する内容の目標を発表した。

3日に発表されたトルコ9月消費者物価指数(CPI)は前年同月比9.26%と予想の9.7%、前月の15.01%を下回った。将来の経済計画とインフレ率の低下を背景に反発したが、その後、エルドアン大統領が、シリア北東部に非武装の「安全地帯」を設置する計画を巡り、米国抜きで行う以外に選択肢はないと発言したことが嫌気されて下落し、対ドルでは約1カ月ぶりの大幅な値下がりとなった。トルコの越境攻撃の可能性をこれまで以上に示唆したと受け取られた。エルドアン大統領はこれまで、まず米国と協力し、それが駄目なら単独行動を起こすとしてきたが、この日の発言は安全地帯設置計画で米国との合意が消滅したことを示唆した。

*今週のトルコリラ円は、地政学リスクを反映して軟調な展開となりそうだ。7日、トルコ政府は、同国とシリアとの国境地帯からクルド人民兵を排除するため、近く空と陸からの軍事作戦を開始すると発表した。米国とトルコは、この地帯に「安全地帯」を設置することで今年8月に合意したが、米国の対応が遅いとして苛立ちを募らせていた。トルコは、シリア北部で空と陸からの軍事作戦をまもなく開始すると発表した。トルコのエルドアン大統領は、クルド人民兵の国境からの排除が十分でないとして米政府を非難した。軍事作戦は一両日中に行われるとしている。一方、米国が支援するシリア自由軍は、これに対し「総力戦」で応じるとしている。また同地域には米軍も駐留している。

5日夜、国境地帯にトルコ軍の増援が到着した。クルド人民兵組織を主体とするシリア自由軍の撤退も求めている。シリア自由軍の広報は、トルコ側からの攻撃があれば、「われわれと市民を防衛するため、国境における全面戦争」も辞さないと警告した。米国とトルコは今年8月、安全地帯の設置で合意した。だがトルコは、米側の対応が遅いとして不満を募らせていた。北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、この安全地帯をどこまで広げ、また誰が管理すべきかを巡って意見が分かれている。トルコは国境に「安全地帯」を設置し、シリア内戦から逃れた難民のおよそ半数に当たる 約200万人を、この安全地帯に移住させたい考え。

トルコのエルドアン大統領は5日、トルコ中央銀行によるこれまでの利下げペースに満足しているとしながらも、さらなる金融緩和を期待していると述べた。エルドアン大統領は与党・公正発展党(AKP)党員に演説し、「トルコ中銀の適切な介入により金利は合理的な水準に低下した」と指摘し、「さらに低下すると確信している」と語った。エルドアン大統領は依然として金利引き下げがインフレ抑制につながると考えているようだ。7月と9月に大幅な金融緩和(下げ幅7.5%)を実施したウイサル中銀総裁は最近、利下げペースを緩めることを検討する可能性があると示唆した。現行の政策金利は16.5%で、追加利下げが既に今月のウイサル総裁の議題に上っている公算は大きい。3日発表された9月のインフレ率は1桁台に低下し、トルコの実質金利は7.24%と、新興国では最高水準にある。今月24日の会合では、追加利下げが行われるとの見方が高まっている。


【トルコ経済指標】
11日金曜日
16:00 8月経常収支前回+11.6億USD 予想+29.0億USD

lira1007

*予想レンジ:17.50円~19.50円

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