トルコリラ円、先週の動き・今週の予想 | 陳晁熙

【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は下落した。4月25日、トルコ中銀は金融政策決定会合を開き、政策金利である1週間物レポ金利を24%に据え置いたが、声明文では3月の金融政策決定会合の声明文にあった「必要があればさらなる引き締めを行う」との文言が消え、市場では利下げ観測が強まった。また、最大都市イスタンブール市長選のやり直しが決まり、先行き不透明感もあってリラ売りが強まった。

トルコ中央銀行は9日、通貨リラの下落に歯止めをかけるため、金融引き締め策を発表した。銀行への資金供給の一部を停止し、利上げに近い効果を狙った。通貨安が物価高につながるのを防ぐため、通貨防衛に動いた。トルコ中銀は「金融市場の動きを考慮する」との緊急声明を公表。主な政策金利である1週間物レポ金利(年24%)を使った市中銀行への資金供給を当面、停止することを決めた。これにより市中銀行はより高い翌日物金利(年25.5%)での借り入れが必要になる。 この対策を受け、トルコリラは一時は昨年9月24日以来の安値まで下落していたが、中銀の措置を受け下げ幅を縮小した。ただ、トルコ中銀は3月のリラ急落時にもレポ金利を使った資金供給を一時停止したことがあるが、通貨防衛策の効果は長続きしなかった。

*今週のトルコリラ円は、トルコの不安定な国政やトルコ中銀の利下げ姿勢を見込んで戻り売りが優勢となろう。トルコの最大都市イスタンブール市長選を巡り、選管当局は6日、野党候補の当選を無効とし、6月23日の再選挙実施を決めた。敗北結果の受け入れを拒否するエルドアン政権の与党・公正発展党(AKP)の圧力に屈した異例の決定で、トルコの民主主義や統治機構への信頼が後退している。イスタンブール市長に当選したはずの野党・共和人民党(CHP)のイマモール氏は、「明らかな独裁政治だ」とエルドアン大統領を痛烈に批判した。

イスタンブールは国内総生産(GDP)の3割を稼ぐ経済の中心で、オスマン帝国の首都でもあった特別な都市であり、エルドアン大統領への信任投票となった地方選では、イスタンブール市長選は最大の関心事だった。AKPは大物候補のユルドゥルム元首相を立てたものの、イマモール氏に僅差で敗れた。AKPは首都アンカラ市長選でも野党に敗北した。再選挙の結果、エルドアン陣営が再び敗れることになれば、長期政権の退潮と受け止められるだろう。エルドアン大統領は2日、アンカラで講演し、金利やインフレ率を引き下げ、通貨リラ相場も望ましい水準にするとの決意を示し、自由市場のルールの範囲内であらゆる措置を講じる意向を示した。

アルバイラク財務相は12日、トルコ経済は昨年の通貨危機がもたらした打撃を比較的短期間で克服できるとの見方を示した。アルバイラク氏は、2008年の世界金融危機当時にトルコが4四半期連続でマイナス成長に見舞われた点に触れた上で、「今回は期待を込めて2四半期のマイナス成長で乗り切れるだろう」と語った。昨年第4四半期のトルコの前年同期比成長率は-3.0%を記録。市場は、あと2四半期にわたって前年比マイナスになると予想しており、同氏の強気発言を懐疑的に見ている。

【トルコ経済指標】
13日月曜日
16:00 3月経常収支前回-7.2億USD、予想-10.0億USD

14日火曜日
16:00 3月鉱工業生産前年比前回-5.1%、予想-4.4%

15日水曜日
16:00 2月失業率前回14.7% 、予想15.0%

16日木曜日
16:00 住宅販売前年比
19:30 自動車生産前年比前回-17.1%、予想-20%

17日金曜日
20:30 3月住宅価格指数


lira0513

*予想レンジ:17.00円~19.50円

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