ドル円相場、今週の予想 | 陳晁熙

【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は、底堅く推移するものの、次第に上値の重さが意識されてくる可能性がありそうだ。今週は米国企業の決算発表が活発化する。15日にゴールドマン・サックス、16日にIBM、ネットフリックス、17日にモルガン・スタンレー、18日にGEなどが発表を予定している。調査会社リフィニティブによると、米主要企業500社の純利益は前年同期比2.5%減と11四半期ぶりのマイナスとなる見通し。トランプ政権の法人税減税の効果が薄らぐほか、米中通商摩擦の影響などが懸念されている。

しかし、先週末に発表された金融大手JPモルガン・チェースの2019年1~3月期決算は、純利益が前年同期比5.4%増の91億7900万ドルとなり、1株当たり利益も市場予想を上回った。ウェルズ・ファーゴの決算も堅調だったことから、市場では今後発表が本格化する企業決算への期待が高まっている。予想を上回る業績であればNYダウの上昇に連れてドルも買われるだろう。

先週発表された3月19-20日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに慎重なハト派姿勢を示す内容だった。年内利上げなしが好感されてNYダウは上昇しており、リスクオンモードからドルは買いが優勢となっている。一方、欧州中央銀行(ECB)は、少なくとも2019年末までの政策金利据え置きと緩和的な金融政策を堅持する方針を表明した。金利要因からもドル買い・ユーロ売りが続きそうだ。

また、先週末に発表された3月の中国貿易統計で、輸出が前年同月比14.2%と市場予想を大幅に上回り、同国経済が安定する兆候が見られたことがドルを押し上げたが、今週17日には中国の1-3月期国内総生産(GDP)や3月鉱工業生産、3月固定資産投資等の経済指標が発表される。良好な内容であればドル買いを促進しよう。

一方、トランプ大統領が欧州製品に関税を課す方針を示したことが報道されて、米欧貿易摩擦の懸念が台頭している。米中貿易摩擦ほど懸念されていないが、ユーロドル相場に影響してこよう。また、今週は15、16日の2日間、ワシントンで日米物品貿易協定(TAG)交渉が行われる。関税問題に加え為替問題も議論されそうだ。

ムニューシン財務長官は、TAGでは通貨切り下げを自制する為替条項を求める考えを示した。日本は同条項の導入に反対している。ドル円が112円台に上昇していることもあり、ドル円の水準の高さが意識され、思惑的な円買いが出てくる可能性もあろう。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はトランプ大統領が米金融当局の独立性を揺るがしているかどうかを巡る議論で意見を表明するという異例の行動に出た。「中銀の独立性に関し、確かに懸念している」と発言、特に「世界で最も重要な地域において」だと述べた。

一方、トランプ大統領は14日もFRBを批判。FRBが「適切に仕事をしていれば株式市場は5000ポイントから1万ポイント上昇していただろう」とぶちまけた。中銀の独立性に疑念が生じれば、ドルの重石になろう。

国際通貨基金(IMF)は9日公表した最新の世界経済見通し(WEO)で、2019年の世界成長率見通しを金融危機以降で最低の水準に下方修正した。先進国の大半で見通しに陰りが出ていることや、関税引き上げが貿易を圧迫する兆候が背景にある。IMFは今年の世界経済成長率を3.3%とし、1月に予測した3.5%から引き下げた。予測通りなら19年は世界経済が縮小した09年以来の低成長となる。


<今週の主な経済指標>
15日は4月NY連銀製造業景気指数、16日は3月米鉱工業生産、17日は2月米貿易収支、19日は3月米住宅着工件数。


CFTCYEN

*CFTC建玉4月9日時点:ファンドのドル買い・円売りは7万1520枚(前週比+8779枚)と増加した。総取組高は16万5736枚と前週比8898枚の増加。ファンドのドル買い・円売りがピークとなるのは、10万枚を超えてからであり、まだドル買い余力が残っているといえそうだ。

YEN0415

*予想レンジ:110.00円~113.00円


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