東京金は押し目完了か | 陳晁熙

【東京金は押し目完了か】 
*欧州中央銀行(ECB)は7日の定例理事会で、2019年中の利上げを断念し、来年以降に先送りする方針を決定した。ECBは2019年の実質GDP(域内総生産)伸び率とインフレ見通しを下方修正し、世界的な景気減速懸念の強まりを受けて欧州の景気減速が従来の予想より長く、深刻との認識を示した。既に、米連邦準備制度理事会(FRB)がハト派に転換し、利上げに対して「忍耐強い」姿勢を示し、利上げの一時停止を宣言している。また、日銀は、物価上昇率が目標の2%に達しない場合、新たな金融緩和を講じるとした。世界的に金利が上昇する公算が小さいことは金の支援要因になっている。

先週末に発表された2月米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比2万人増にとどまり、前月(31万1000人増)から急減速し、1年5カ月ぶりの低い伸びとなった。失業率は3.8%と前月から0.2ポイント低下した。一方、物価上昇の先行指標として注目される平均時給は前年同月比で3.4%増と、伸びは09年4月(3.4%)以来の大きさとなった。また、2月の中国貿易統計では、輸出が前年同月比20.7%減と大きく落ち込んだ。

世界的な景気減速懸念が強まり、金は反発したが、1300ドルを越えるところでは、利益確定売りに上値を抑えられてしまうようだ。テクニカル的には50日移動平均線が上値抵抗線になっており、100日と200日の移動平均線が下値支持線になっている。12日に行われる英国の欧州連合(EU)離脱への採決を控えて様子見が強まっているのだろう。ファンドの買い越しも減少しており、利益確定売りが続いているようだ。

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*CFTC建玉3月5日時点:ファンドの金買い越しは8万8018枚(前週比-4万7678枚)と減少した。総取組高は47万1311枚と前週比2万9957枚の減少。

*NY金予想レンジ=1280~1310ドル

   
*米連邦準備制度理事会(FRB)が1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、ハト派姿勢への転換を強めたことを背景にNY金は上昇を強め、2月20日には1349.8ドルまで上昇した。東京金もこれに連れて上昇し4789円と4800円に迫った。しかし、米中通商協議への進展期待が高まると、世界的に株価が上昇し、安全資産である金は下落に転じた。

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しかし、NY金は1280.80ドル(3月7日)まで、東京金は4591円(3月8日)まで下落した。ただ、東京金は4600円割れの水準にある50日移動平均線のサポートを受けて下げ止まったようだ。現物投資である金ETFの動向を見ると、1月31日に823.87トンと昨年6月下旬以来の水準を回復すると2月以降は減少に転じた。先物市場より先に下落に転じたわけだが、投資資金は金市場から流出し、株式市場に流入したようだ。3月に入り766.59トンとピークからおよそ7%減少してようやく下げ止まったようだ。世界景気の減速懸念を背景に「守りの資産」として金が見直されているのだろう。東京金は4600円台で値を固め、次の上昇相場をうかがう展開になるだろう。

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*東京金予想レンジ:4570~4670円。


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