日柄観測……「目先」って何日間なの? | 株式投資「虎の穴」

 

 

多くのマーケット情報には、6月6日のブログ↑で触れた「株価指数」のほかにも、うっかり流してしまう問題点があります。

よく、「足下では……」「直近は……」「目先は……」といった表現が使われますが、いったい何日間のことを述べているのか、判然としません

 

「だいたい、これくらいの期間という共通認識がある」と認められる場合には使っても問題ありませんが、不特定多数の投資家を対象にした読みものでは、3日なのか、1カ月なのか、3カ月なのか──どう受け止めていいのかわからないケースが多いと思うのです。

相場の世界に、万人に共通の「正解」などありません。
なんとなく正解探しをするのではなく、自分の基準を決めることが大切です。

その自分の基準が「正しいかどうか」を考えるのではなく、「自分の意思で見直すかどうか」という狙いで他人の声に耳を傾けるべきです。こういう姿勢なら、例えば「自分は、直近2カ月の動きを○○と捉え……」というように、日柄についても数字が明確な状態で外の意見を聞くことになります。

つまり、なんとなく無防備な状態で他人の意見を聞いてしまうことを防げます。
迷ってしまいやすい相場の世界で、ムダな迷走を抑えることができるのです。

林投資研究所オリジナルの相場観測システム「中源線」のルールには「日柄の概念」が盛り込まれていません。
「数式化が難しいから」ですが、「日柄」の要素は、裁量を入れるときに有効性があるはずです。

どんな考え方があるか、どんなアイデアがあり得るか──ちょっと複雑ですが、考えてみたいと思います。

トレードで最大の問題は、すべての段階で生じ得る「迷い」です。

“すべての段階”とは、「常に」「永久に」ということです。
詳しく説明しましょう。

トレードのやり方について考える最初の段階、おおよその方向性を決めるだけでも迷います。
「どんなやり方がいいだろう……」と。

次に、銘柄や個々の株数を決めて、細かい組み立てをしますが、無限の選択肢があるので確実に迷います。複数の要素が複雑に絡むから、なかなか手強いのです。

そして、やっとカタチを整えて実際の売り買いに臨むわけですが、当然のように試行錯誤をします。その段階でも、自分が選んだものについて「ダメかも」とか「いい感じだけど偶然?」なんて考えて迷いますよね。

そんな迷いを断ち切って前に進もうとしていると、こんどは、自分が手がけていない数多くの銘柄が気になります。「暴騰した」「急落した」「短期間で倍化した」といった熱い情報が伝わってくるのです。

やはり、最初の段階から「100のうち99を捨ててしまう」くらいの気持ちが必要です。
しっかりとした「絞り込み」は、自分で何をやっているのかわからなくなる混乱に陥らないために必須です。
 

ブログ一覧に戻る