売買のやり方はさまざま、というか、無限にあると言っていいでしょう。
スポーツのように、試合形式、対戦相手などがカチッと決まっているゲームではないからです。
好きなときに仕掛け、好きなときに手仕舞いする。
1分で手仕舞いしてもいいし、「今日中に手仕舞いする」と宣言しながら3年間持っていても、誰からもとがめられません。
売買は、自由に展開することが可能です。
だから、無限の選択肢があるのです。
でも、そのなかで、例えばシンプルな分類で「デイトレード」とか「うねり取り」とか、一定の方向性を示すことも可能です。あるいは、もう少しカチッとした流儀、手法もあります。
これらを考えて、「どれがいいか」とか「どっちが儲かるか」などと迷うこともあるでしょう。
しかし、手法としての条件をそなえていない(すなわち「手法」ではないんですが……)ものは別として、優劣を判定したり、語ったりはできないはずです。
例えば、「ラーメンとカレー、どっちがうまいか」って、ディベートしたら楽しいかもしれませんが、本当の結論は出ませんよね。
同じくラーメンでも、「塩か醤油か」って、どっちもおいしいじゃないですか。
高級フレンチのテリーヌを食べても、私はおいしいと感じたことがありません。
「はんぺん焼いて醤油かけたほうがうまい」と言いたいのですが、反対意見も多いはずです。
売買のやり方(手法)も、優劣ではなく「好み」です。
自分が好きになって、義務感なしに実践、研究を継続できるものが正解です。
クソまじめに資産運用を行うにしても、楽しくなかったらつづきません。
「ダイエットをしよう」と思いながら、ダイエット法をたくさん知っているのに、いつまでたってもやらないように、「好きだ」「やりたい」と思わないことは、三日坊主におわるのです。
「なにがいいか?」なんて疑問は、厳しく言えば“思考停止の正解さがし”です。
好きなものを選び、楽しみながら取り組んで納得する──腕を向上させる、唯一の道ではないでしょうか。