少し乱暴に聞こえるかもしれませんが、先人たちの教え、自分の経験から確信する実践論を述べます。
売買そのものが、とても積極的な行為です。
しかし、勢いで「積極的すぎる」傾向があると思います。
例えば、半年で10%利益が出たとします。
この結果について、「1年間で20%利益が期待できる」と判定し、さらには「複利なら利益率はさらに上がる」と計算して、「残りの半年は、株数を10%増加させる」と考える──どうでしょうか? この考え方は合理的でしょうか?
合理的で、資金管理の正しい考え方だ、と思う人も多いようですが、疑問が満載です。
たしかに、一定期間の結果をもとに、数字で判定したといえます。
でも、あと半年やった結果5%の損が出て、「1年間で5%増えるやり方」というのが正しい判定かもしれません。
そんなことを言ったら、いつまでたっても判定できない……こういう反論もあるでしょう。
はい、そのとおりです!
カンタンには判定できない、
だから「これでもか」というくらい余裕をもつのが正解なのです。
「片玉2分の1」ということがあります。
売り買いどちらかに傾ける限度は、口座にある資金の50%という意味です。
実際、この50%というラインを超えると、少しきゅうくつになります。
さらにポジションを増やすと、息苦しくなります。
徐々に「やりくり」が必要なレベルになるのです。
プラスになることを“計算”して、ギリギリを求めるのは、個人が行う売買の資金管理としては問題があります。
先日のブログで書いたとおり、私たち個人投資家は「ひとりで数役をこなす」たいへんな仕事をしているのです。
だから、組織(チーム)で役割分担するのとは全く異なるゲームを想定するべきです。
実行可能なことの限界は、思ったよりも低いのです。