私は、株の売買で「成り行き注文が基本」だと考えています。
指し値について、否定派ということです。
指し値を駆使すれば少しずつ有利になり、蓄積されて大きな差が生まれる──指し値を積極的に利用する根拠です。
しかし、指し値は本当の意味の「個別交渉」ではありません。
金融マーケットにおいて価格はコントロールできず、コントロール可能なのは自分の売買の「数量」と「タイミング」だけと考えるべきです。
だから、その2つのコントロールに集中することが重要で、売買は「そのとき可能な価格で、決断したとおり確実に実行するべき」という哲学です。
でも、指し値が必要なケースだってあります。
また、指し値が有効だと否定派の私が考えるテクニックもあります。
この2つについて解説します。
まずは、指し値が必要なケース。
例えば、ある銘柄の持ち株を一気に売って現金化しようとした際、板(注文の状況)を見たら買い指し値がスカスカ……成り行きで売りを出したら、自分の注文で値を下げてしまう、といった状況です。
手間をかけて少しずつ、指し値を出して売っていくしかありません。
指し値を否定している場合ではない、ということです。
しかし、こうした状況を生まないことが第一です。
極端な株数を抱えて、個人投資家の武器である「小回りが効く」要素を捨てないことです。
株数が少なくても、極端な品薄銘柄ではこうした苦労があったり、値動きが極端だったりするので避けるようにするべきです。
さて2番目、メインディッシュの「指し値を使った注文テクニック」を説明します。
ズバリ、『逆指し値』です。
現在の値段よりも下で買い指し値を出すと、下がったときに「買い」約定できますが、逆指し値は、“下がったときに売る”ための注文です。持ち株について逆指し値を出すと、「下がって○○円になったら売る」という意思表示を、価格をウォッチしていない状態で実行できるのです。
例えば300円で買っていて、下がって「290円になったら売る」といった注文を、指し値として出しておくことが可能なのです。
見込みがちがった、とりあえず投げる……こういうケースはふつうにありますが、いざとなると売りを決断できなかったりします。だから、自動で執行されるようセットしておくのです。
―12月5日のブログにつづく―
