上げ相場と下げ相場は動かす力がちがう(1) | 株式投資「虎の穴」

高値圏にいる銘柄のチャートを上下ひっくり返し、「安値圏にいるとすると、上がりそうだ」「だから、この銘柄は下がるだろう」なんて観測、やったことありますか?
(左右が逆になりますけど)

「それ、やることあるよ」という人、あるいは「なるほど」と感じた人に対して、「ちょっと待った」と、もの申したいと思います。

  • マーケットで価格が成立するとは?
  • 上がるとき、どんな力が働く?
  • 下げ相場の原動力は?

こういったことを考え、ふだんのチャート分析や売買戦略の立て方を見直してみましょう。

ある日、株価が上がった状況を見て「買いが多かった」などと表現します。
これは、正しいのでしょうか?
多くの人が違和感を覚えずに受け止めるでしょうが、まずはこれについて「ちょっと待った」

各種の理論では、「価格が成立した」=「売りと買いが同数あった」と解釈します。
これが、“プレーンな理屈”なのです。

ただ、株価が上昇した背景には、「新規に買ってくる参加者の増加」があります。
安値圏から少し動いただけでは手を出さなかった投資家が、「これ、いけるよ!」と乗ってくる、そんな変化が株価を押し上げていきます。

高値圏は、どうでしょうか?
多くの投資家が「これはいい」と高く評価する状況です。
買いの材料があるだけでなく、実際に株価が上がっているのですから。

ところが、新規参入の予備軍は、かなり減っています。
そして、その予備軍がいなくなる、つまり多くの人がすでに買って上昇を待っている、自分が売り逃げることを考えて株価を見ている状態になっているのです。

当然、株価を押し上げるエネルギーは小さくなっています。
株価は伸び悩み、いわゆる「上げ止まり」の状況です。

すると、ちょっとしたことで、株価が下げに転じます。
あとは、たっぷり存在する「売り逃げ場待ち」の参加者が売ってくるだけです。
素早く売る人、ちょっと間をおいて売る人、なかなか売らない人……対応はさまざまですし、利食いか損切りかもまちまちですが、“潜在的な売り”がマーケットに出てくる流れです。

そして株価は、継続的な下げトレンドを形成するわけです。

「ちょっと待った」の答えがないままですが、すみません、11月19日のブログにつづきます。


―11月19日のブログにつづく―

ブログ一覧に戻る