ドル円相場、今週の展望 | 陳晁熙

【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円相場は、下落基調が続きそうだ。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官からタカ派的な発言が相次いだことで、4月か6月には追加利上げが実施されるとの期待が高まったが、先週の講演会で、イエレンFRB議長は予想以上に慎重な姿勢を示したため、4月の利上げ期待は一気にしぼんだ。1日に発表された3月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が21万5000人増と予想の20万5000人増を上回り、平均時給も上昇した。失業率は4.9%と前月の5.0%から悪化したものの、3月の米ISM製造業景況指数が51.8に上昇した。しかし、米国経済の状況が良好でも世界経済が減速している現況では、早期の追加利上げは困難との見方から、ドル売りが継続した。なお、CMEのFedWatchによると、3月米雇用統計発表後の利上げ(FF金利が0.5%から0.75%に引き上げられる)確率は4月が4.6%、6月が25%と依然として低く、市場は6月の利上げも慎重に見ているようだ。

また、日本においても1日に発表された3月の日銀短観では、大企業、中小企業の業況判断DIがそろって悪化した。2016年度の大企業・製造業の想定為替レートは1ドル=117円46銭だが、現状のドル円相場は112円前後と、想定に比べて5円近く円高水準となっているため、2016年度の企業業績の下振れ懸念が強まっている。これを受けて日経平均株価が大幅に下落し、リスク回避姿勢から円が買われている。

今週発表の経済指標は、4日の本邦3月マネタリーベース、5日の米2月貿易収支、米3月ISM非製造業景況指数、6日の2月景気動向指数、8日の本邦3月景気ウォッチャー調査などで、ドル円の下落基調を変えるようなイベントはなく、現状の下落基調が続く可能性が高いだろう。

ただ、日本が新年度に入り、新規の外債投資やファンド設定が相次ぐことも想定され、110円を割り込むような極端な円高も考えにくく、111円割れでは下値警戒感が働く可能性も高まるだろう。日経平均株価が下げ止まりとなれば、ドル円も下げ止まってくるだろう。

予想レンジ:110.00円~112.50円


*テクニカル:ボリンジャーバンドの-1σラインを割り込み、下落のバンドウォークとなる可能性が出てきた。RSI(14日)は40%を下回っているため地合いは弱く、下落リスクが高まる可能性がありそうだ。ボリンジャーバンドが次第に下落しつつあることに注意したい。上値抵抗線:112円67銭(中心線)113円38銭(+1σ)、113円82銭(3月29日高値)114円11銭(+2σ)。下値支持線:111円22銭(-2σ)、110円65銭(3月17日安値、年初来安値)、110円50銭(心理的節目)、110円(心理的節目)。

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*CFTC建玉3月29日時点:ファンドの円買いは5万4387枚(前週比+1041枚)と買い越し幅は増加。総取組高は14万8292枚と前週比1871枚の増加。ファンドは買い、売りを共に増やしている。

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