金は押し目完了が近い | 陳晁熙

【金は押し目完了が近い】

3月16日、米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利の据え置き(0.5%)を決定し、イエレンFRB議長は記者会見で、「米国を除く世界的な成長見通しが若干鈍化した」と述べ外部環境の悪化を懸念し、声明も「米国の経済活動は緩やかなペースで拡大し、労働市場は力強さを続けているが、世界の経済金融情勢がリスクをもたらしている」とした。

ハト派的な内容を受けて17日のNY金は反発したが、21日以降は、相次ぐFRB高官による再三の早期利上げ発言を受けて、売り優勢の展開となった。アトランタ連銀のロックハート総裁、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁、セントルイス連銀のブラード総裁らが相次いで、「経済指標が予想通りに進展すれば、4月や6月の追加利上げは可能」と述べた。こうしたタカ派的発言を受けて、週明け28日には1206ドルまで下落した。

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しかし、昨晩の講演でイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、海外の成長鈍化が米経済に及ぼすリスクを指摘し、追加利上げに関しては慎重を要するとハト派的発言を行った。28日に発表された2月の米個人消費(PCEコアデフレーター)が、前月比0.1%と前回の0.3%を下回り、インフレ率の低下が判明していたこともあって早期利上げ機運は後退し、NY金は上昇した。終値は1235.80ドルと1週間ぶりの高値を付けた。


CMEのFedWatchを見ると、4月にFF金利が0.75%に引き上げられる確率は、28日時点では11.5%だったが、29日のイエレンFRB議長の発言を受けて、4.6%にまで低下した。6月時点でも42.4%から28.4%まで下がった。4月のFOMCで利上げされる可能性は低いだろう。


28日時点の金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は、2648万オンス(およそ824トン)と、2013年12月以来の水準に増加した。昨年12月に9年半ぶりとなる利上げが決定されてから、金ETFは増加に転じている。

豪州、南アフリカはいずれも世界有数の金生産国であるが、米国の緩慢な利上げペースを受けて、資源国通貨である豪ドルや南アランドが堅調に推移していることも金には強材料だろう。

さて、東京金相場を見ると、年初来安値の4046円(1月15日)と4622円にフィボナッチリトレースメントを当てはめると、0.38倍押し=4403円、0.5倍(半値)押し=4334円、0.62倍押し=4265円となるが、先週の安値4378円(3月24日)は、ほぼ0.38倍押しのラインと200日移動平均線にサポートされた格好になった。

20日移動平均線が200日移動平均線を上回っているため、上昇トレンドは継続している。また、RSI(14日)が50%を上回りつつあるため、再び上昇基調が強まるだろう。20日移動平均線(現在4500円)をブレイクすれば、押し目完了となって、年初来高値を更新する可能性が高まるだろう。


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