ECB追加金融緩和もユーロは乱高下、金は上昇 | 陳晁熙

【ECB追加金融緩和もユーロは乱高下、金は上昇】

欧州中央銀行(ECB)は10日、定例理事会を開催し、追加金融緩和の実施を決定した。

政策金利の一つで、ECBに預け入れられた市中銀行の余剰資金に対する「中銀預入金利」を現行の-0.30%から、-0.4%へ引き下げる。マイナス金利の拡大は、昨年12月以来。


主要政策金利も0.05%から0.00%に、上限金利の限界貸出金利も0.30%から0.25%に、それぞれ引き下げられる。両金利は2014年9月以降、過去最低で据え置かれていた。 

また、注目されていた量的緩和についても、資産購入の規模を現行の月額600億ユーロ(7兆5000億円)から800億ユーロに増額する。実施は4月から。

「中銀預入金利」の-0.4%引き下げは事前の予想通りだったが、資産購入額の拡大については市場予想の中央値が750億ユーロだったため、ポジティブサプライズとなった。

発表後、ユーロは対ドルでおよそ1.2%下落した。

しかし、ドラギECB総裁が理事会後の会見で、「さらなる利下げが必要になるとは予想していない」と述べたほか、マイナス金利の拡大は無制限ではないとの認識を示し、利下げの打ち止めを示唆したことから、一転してユーロは買い戻されて急騰した。発表後の安値から最大で3.6%の高値を付ける場面があり、1.12ドル近辺でNY市場を終えた。


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なお、同時に公表したECBのスタッフ見通しでは2016、17年のインフレ率と経済成長見通しをいずれも引き下げた。

ユーロ圏インフレ率見通しは2016年が0.1%(昨年12月予想は1.0%)、2017年は1.3%(同1.6%)。成長率見通しは、2016年が1.4%(昨年12月予想は1.7%)、2017年が1.7%(同1.9%)。ドラギECB総裁はインフレ率が今後数カ月間、マイナス圏にとどまり、今年のより遅い段階から上向くとの見方を示した。

ユーロドル相場の動きに連れて、NY金相場は下落した後、1.0%超上昇した。欧米株価が下落したことも、リスク回避の金買いを促進したようだ。終値1272.80ドルと2015年2月2日以来約1年1カ月ぶりの高値となった。

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3月10日時点の金ETF「SPDRゴールドシェア」は前日比で5.95トン増加し798.77トンとなった。これは年初来最大の保有量。不安定な金融市場の動向を受けて、金相場へ関心を示す投資家が徐々に増えているようだ。


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