ドル円相場、今週の見通し | 陳晁熙

【ドル円相場、今週の見通し】
今週のドル円相場は、徐々に下落基調に転じるだろう。

4日に発表された2月の米国雇用統計は、景気動向を反映する非農業部門就業者数が前月比24.2万人増と市場予想の19.2万人増と、前月の17.2万人(改定値)からも大幅に加速した。失業率は4.9%と前月と変わらずで8年ぶりの低水準を維持した。一方、平均時給は前月比0.1%減少した。今回の雇用統計では、労働市場の力強さが鮮明となったことで一部で不安視されていた米国の景気後退懸念が後退し、追加利上げ機運が高まったと評価する一方、平均時給の低下は賃金インフレを押し下げ、追加利上げには力不足との見方も多い。

発表後のドル円相場は、上下に振れたものの結局発表前の水準とほぼ同水準のレベルで引けており、相場の方向性を決定するには至らなかった。米経済の回復傾向は確認されたものの、3月15、16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で、追加利上げに踏み切るほどではないということだろう。

7日のFEDWATCH(CME)では、3月のFOMCで、FF金利が0.50%に留まるとの確率が100%、0.75%に上昇するとの確率は0.0%だった。ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事は7日、1月のインフレ指標は心強い内容となったものの、FRBが近く追加利上げを実施すべきとの見方を支えるには不十分との見解を示した。

CFTC建玉明細を見ても、ファンドのドル売り・円買いポジションは年初から一貫して増加傾向にあり、投機筋の円高圧力は弱まっていない。加えて、3月は年度末に伴うレパトリも想定されることから、徐々にドル円の上値は重くなり、円高基調が強まると予想する。

今週注目される経済指標は、8日の本邦10~12月期国内総生産(GDP)改定値、本邦2月景気ウォッチャー調査、中国2月貿易収支、10日の中国2月消費者物価、中国2月生産者物価、欧州中央銀行(ECB)定例理事会およびドラギECB総裁会見、11日の本邦1~3月期法人企業景気予測調査など。

*レパトリ(Repatriation):レパトリとは、レパトリエーション(本国送還)の略。海外に投下していた資本を本国に戻すことで、例えば、米国に投資をしていた日本の企業が、3月の決算に備えて日本に資金を戻す場合、大量のドル売り・円買いを実施するため、為替の変動要因になりやすい。そのため、この時期は円高になりやすいといわれている。

予想レンジ:111.50円~114.50円

*CFTC建玉3月1日時点:ファンドの円買いは5万9625枚(前週比+6891枚)と買い越し幅は増加。総取組高は26万1679枚と前週比4615枚の増加。ファンドは買いを増やし、売りを減らしている。

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*テクニカル:ボリンジャーバンドの中心線(21日移動平均線)がある113円10銭前後で推移している。ボリンジャーバンドが収束しつつあるため、上下に動きにくい状態。MACDはゴールデンクロスして上昇したものの、上値が重くなりつつある。RSI(14日)は50%を下回って地合いは弱い。上値抵抗線は+2σラインのある115円。下値支持線は-2σラインのある111円88銭。


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